10月30日(火)、デンマークOP(オデンセ)&フランスOP(パリ、どちらもSuper750)に参戦していた日本代表選手らが帰国した。デンマークOPでは男子シングルスの桃田賢斗、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花が優勝を果たし、フランスOPでは女子シングルスの山口茜、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那が頂点に立っている。ここでは、帰国後の囲み取材に応じた桃田のコメントを紹介しよう。
桃田賢斗(デンマークOP優勝)
−−デンマークOP(優勝)、フランスOP(ベスト4)の結果について
桃田 1回戦はスピードがある選手(アンソニー・シニスカ・ギンティン/インドネシア)で、そこが山場と思ってましたが、しっかりクリアすることができて、それが自信になりました。フランスOPは、少しずつ疲労が蓄積されていて…。1試合を戦い抜くスピード、スタミナというものよりも、1年間を通して戦い抜く力がまだまだ足りないなと思いました。
−−フランスOPの敗因(相手は諶龍<チェン・ロン>)は、ケガなどではなかった?
桃田 そうですね。単に疲労が溜まってスピードを上げることができず、手も足も出なかった感じです。
−−いま話した「年間を通した体力面」なども踏まえて、これからレベルアップさせていきたいこと
桃田 試合をしていて思ったのは、デンマークOPで台北の選手(周天成<チョウ・ティエンチェン>)に低い展開で押されてしまい、気持ちの部分で引いてしまうことがあった。(レベルアップしたいのは)その低い展開の戦い方ですね。あとは、次の中国・香港OPの2週がタイトなスケジュールなので、厳しい部分はあるけども、全力でトライすることが自分の力になる。あと2週、できる限りのことを出せたらなと思います。
−−世界ランク1位としての意識したこと
桃田 この前(中国・韓国OP後の囲み取材)のとき「(WR1位を)継続するこが大事」と話したのですが、そこからの最初の大会だったので、正直、プレッシャーもかかっていたので、優勝は自信になりました。
−−世界ランク1位をキープするために、今後強化する部分は?
桃田 少しでも疲れを残さないこと。あとは、世界ランクを落としたくないという思いから、保守的なプレーが多くなるので、そこでも守りきる力や、緊張感の中でも大胆に攻められる強い気持ちを、普段の試合から作っていきたいと思います。
−−改めてデンマークOP優勝の感想は
桃田 優勝したときはうれしさもありましたが、“やっと1週間が終わった”という気持ちもある。これまでは「世界ランク1位になりたい」という気持ちがあるなかでやっていたけど、実際に世界ランク1位になると“次はどうしようかな”という気持ちになっていて、いまは自分の中の目標がなくなっている部分もある。
−−その中でどうモチベーションを保つのか
桃田 自分のことを応援してくれる方や、試合を観に来てくださる方を楽しませるように一試合一試合やっていこう、というのが、いまのモチベーションです。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/平野貴也