10月1日(月)、中国OP(9月18~23日@常州・Super1000)と韓国OP(9月25~30日@ソウル・Super500)に出場した日本選手団が帰国。ジャパンOP(9月11~16日@東京・Super750)から続く連戦となったが、日本代表選手らは各種目で好成績を収めた。ここでは、2週連続優勝を果たした髙橋礼華/松友美佐紀と、韓国OPで頂点に立った遠藤大由/渡辺勇大、奥原希望のコメントを紹介しよう。
中国OP準優勝の桃田賢斗のコメントはこちら
髙橋(写真右)「(3連戦の)1週目にジャパンオープンの1回戦負けてしまってすごく悔しい思いをしたので、中国では優勝したいという気持ちでした。まさか、最後の韓国まで優勝できるとは思いませんでしたが、準々決勝から、世界選手権でメダルを取った日本の3組(松本麻佑/永原和可那、米元小春/田中志穂、福島由紀/廣田彩花)にストレートで勝つことができたのは、やっぱりすごく自信になりましたし、2週連続で優勝できてよかったと思っています。
(日本勢対決について)いままでは気持ち的に自分たちが向かってこられるところが多かったけど、世界選手権で自分たちがメダルを取れていないなかで、金、銀、銅を取っているし、とくに松本/永原ペアに対しては、すごく向かっていけた部分があった。『勝ちたい』という気持ちになれたので、自分たちのほうがプレーの面でも気持ちの面でも押していけたのかなと思います」
松友(写真左)「ジャパンオープンは1回戦で負けてしまったけど、中国と韓国では、たくさん試合ができてよかったです。(日本勢対決について)いままでは、相手が日本の選手だから負けたくないとか、試合に必要のない余計な感情がありました。でも、相手が日本人であろうが海外の選手であろうが、自分たちのできるプレーや、やることは持っているものでしかないし、それ以外のことをできるわけではない。まずは、相手が誰であっても、自分たちのプレーがいま、相手に対してどこまでできるのかなと考えられるようになったので、そこを楽しみながらプレーできたと思います。
(五輪代表が決まるまでの戦いは、ここから長いか、の問いに)いまはたぶん、自分たちが持っている『もっとこうなりたい』というイメージの半分もできていません。レースまでに半分くらいの状態を作れるようにしたいですし、これからもたくさん勝ったり負けたりするなかで、自分たちがどうなっていけるか、とても楽しみです。
遠藤大由&渡辺勇大(韓国OP優勝)
遠藤(写真右)「(ワールドツアー初優勝は)うれしかったです。やっとですね。長かったです。あまり考えていなかったですけど。勝った瞬間は『ホッとした』というのが一番強かったです。決勝で勝てないトラウマもありましたし、乗り越えた感じはありました。今回は、僕はあまり何もしていないのですが、勇大が思いきり引っ張ってくれたおかげで勝てたという印象が強いです。
(何かが変わったのか、の問いに)それは、次の大会で分かるのかもしれません。(以前よりコミュニケーションを取るようになった?)いや、取ってはいたんですけど、試合数が少なかったので。いって、試して、勝ったら、もう一度試せるので。組み始めた頃と比べて、だいぶ(渡辺が)打つところは分かってきた気がします」
渡辺(写真左)「僕は(ワールドツアー決勝進出が)3回目だったので、“3度目の正直”でよかったなと思います。今回は、いつもは抜けてしまうところを止められたり、仕留めるまではいかなくても、次に遠藤さんがスマッシュを打って、僕が前でつぶして、もう1回遠藤さんに決めてもらうという気持ちでやって、何度かいいコンビネーションがありました。それは今後も継続していく必要があると思います。
明確に何かを変えたというより、これまでやってきた単純な作業を、もう一度話し合って、コミュニケーションを取れたのがよかったかなと。遠藤さんにいっていただいたように、お互いの打つコースがわかったり、(以前は)声掛けをしなかったところも、相手が思うことや、自分が思っていることを互いに少しずつ理解しているのかなと思います」
奥原希望(韓国OP優勝)
「(3週間で14試合戦ったことについて)いや、もう、しんどいです……(苦笑)。でも、振り返ってみると14試合もできて充実していましたし、自分の課題も持ちながら試すこともできたので、途中、何回も心が折れそうになりましたけど、そこを踏ん張ってよかったです。
(7月のタイオープン優勝時に、実戦でしか感覚はつかめないと話していたが?)だいぶ、押さえなければいけないポイントや、試合の流れはわかってきましたし、集中力の持っていき方もわかってきました。3週目の韓国は、7月の東南アジアの3週(インドネシア、マレーシア、タイ)とは全然違って、体も心も疲れていたなかで、5試合を勝ちきれたことは、来年の過酷な五輪レースに向けて大きな自信につながったと思います。
1週目(ジャパンOP)、2週目(中国OP)は、スーパー750、1000と周りの選手もレベルが高く、どこまで勝負ができるか。環境に合わせながらも、自分の思い通りのプレーをできるかが大事なので、中国は、環境に合わせたシャトルのコントロールを怖がらずに球を出そうと思って(試合に)入りました。韓国は(大会のレベルが1つ下の)スーパー500だったので、もっと思いきり挑戦してみようかなということで、あまり見ないような攻撃的なプレーも結構出せたと思います。(これからの戦いでは)そういうものをうまく織り交ぜながら、いい意味で楽に1ポイントを取れるようになることが大事なので、いろいろ試せたかなと。完ぺきではないですけど、少しつかめたかなと感じるので、これからも積み重ねながら、自分の攻撃パターンを増やせたらいいと思います」
取材・写真/平野貴也