10月1日(月)、中国OP(9月18~23日@常州・Super1000)と韓国OP(9月25~30日@ソウル・Super500)に出場した日本選手団が帰国。ジャパンOP(9月11~16日@東京・Super750)から続く連戦となったが、日本代表選手らは各種目で好成績を収めた。ここでは、中国OPの男子シングルスで準優勝を果たし、9月27日に更新された世界ランキングでは日本人として同種目初の1位に輝いた桃田賢斗のコメントを紹介しよう。
優勝を飾った髙橋/松友、遠藤/渡辺、奥原のコメントはこちら
桃田賢斗(中国OP準優勝)
――韓国オープン(準々決勝)の棄権は、足の負傷ということですが、状況は?
ジャパンオープンの直前合宿くらいから少し違和感が出てきて、少しずつ疲れが溜まるとともに痛みが増していく感じでした。でも、棄権をしてからは2、3日完全休養を取って、少しよくなったかなと思います。(左のカカト?)そうですね。いまはあまり痛みがないですけど、歩くときも少し痛かったです。棄権する前日の試合、デンマークの選手と対戦した日の朝は、一番ひどかったです。毎日、トレーナーさんにケアをしてもらっていました。
――次に出場予定のデンマークオープンでは(アジア大会の個人戦と、中国オープン決勝で連敗しているインドネシアのアンソニー・シニスカ・)ギンティン選手と初戦で対戦することになりました。どういう心境ですか。
彼とは、この先何試合もやると思う。(再び対戦するのが)早いか遅いか。しっかりと準備をして、次は勝てるようにしたいと思います。
――攻略イメージは?
純粋にスピード勝負をしたら、彼のほうが速いですし、プレースタイル的にも相手選手のほうが攻撃の回数が増えます。いまはちょっと、スピードゲームをして、ネット前で相手に上をいかれる感じなんですけど、打たれる感じではなく、打たせるイメージ(にしたい)。スマッシュを打たせることを少し恐れている感じがいまはあるので、(レシーブに自信を持って)強気で打たせられるように。そういう配球ができて、長い試合になれば、自分に分があると思うので。そこに持っていくための対策をしっかりしたいと思います。
――中国オープンでは、意識して(速い展開で)打ち合った?
打ち合いに持ち込みました。勝ち上がり的にも、あの時点ですごく疲労が溜まっていて、長いラリーよりは、短いラリーで決めにいこうという意識が強すぎて、ああいう展開になってしまいました。ちょっとスピードを重視し過ぎて、視野が狭くなっていたので、そこは反省点です。
――中国オープン準優勝によって、世界ランク1位になりました。純粋にどういう思いですか。
まだ、正直あまり実感が湧いていないというか……。
――ポイントを見ると、半年くらいは安泰ではないでしょうか。リー・チョンウェイ選手(マレーシア)は、過去に6年くらいキープしました。そういうイメージはできますか。
それは、まったく……(苦笑)。世界ランク1位だった頃のリー・チョンウェイ選手の“圧倒的”という感じは、いまの自分にはまったくないので、少しでも追いつけるように(頑張りたい)。一度(1位に)なることより、継続するほうが大変だと思うので、少しでも長く継続できるように、より一層頑張りたいと思います。
――中国オープンの期間中、リー・チョンウェイ選手が鼻の癌を患って治療中と報じられましたが、彼への言葉はありますか。
リー・チョンウェイ選手とする試合は、特別な感情がありますし、すごく学ぶことがたくさんあるので、少しでも早くコートに戻ってきてもらいたいなと思います。
――(無期限出場停止処分が解除されて)復帰してから1年で世界ランク1位になったことのスピード感は、どのように感じていますか。
ランキングとか気にせず、1試合、1試合、自分ができることをやっていこうと思った積み重ねが、いつの間にか世界ランク1位ということになっていたので、(これからも)あまり意識し過ぎず、1試合ずつ感謝の気持ちを持って取り組んでいこうと思っています。
――世界選手権を優勝して、世界ランクも1位。名実ともにそろえたことになりますが?
でも、まだ2連敗している選手もいるので、実感はないですけど、自分が思い描いていた世界ランク1位の選手――どの会場に行っても応援されて、周りの方に愛される選手になりたいと思います。
取材・写真/平野貴也