9月14日に開催されたダイハツ・ヨネックスジャパンOP(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ/Super750)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは男女シングルスの活躍をダイジェストでお伝えしよう。
<ダイジェスト>
【男子シングルス】
地元開催のジャパンOPで初優勝への期待が高まる桃田賢斗(写真)は、「小さいころからあこがれの選手」というレジェンド林丹(リン・ダン/中国)に挑み、43分、2−0のストレートで勝利を収めた。
試合は第1ゲームから長いラリーの応酬に。桃田はクリアーの打ち合いからねばり強くチャンスをうかがい、決定機ではクロスネットやカットを絶妙なコースに決めてポイントを重ねた。桃田に対して8本、10本で完封された林丹は、試合後、「今日の彼は絶好調の状態でプレーしていた」と脱帽。「今の桃田はオールラウンドプレーヤーに近い」と日本のエースを評した。
3年前、初めて対戦した全英OPでは0−2(18-21、19-21)で敗戦している桃田だが、2度目の対戦では確かな成長を示す完勝。強敵を下し、ベスト4進出を決めている。
また、本大会のディフェンディング・チャンピオンであるビクター・アクセルセン(デンマーク)も、アジア大会でブレイクしたアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)を下し、順当にベスト4に勝ち上がった。15日の準決勝は、世界1位のアクセルセンと、今年の世界選手権を制した桃田という注目カードが実現。同世代のライバルが、日本で熱い火花を散らす。
そのほか、ベスト4入りを決めたのは、韓国の李東根(イ・ドンクン/韓国)とタイのコーシット・ペッパダブ。李東根はインドのスリカンス・キダムビをファイナル勝負となった接戦の末に破り、コーシットは2016年リオ五輪金メダリストの諶龍(チェン・ロン/中国)にストレートで勝利。両選手とも格上のシード選手を破って上位進出を果たしている。
▼準々決勝
桃田賢斗②〔21−8、21−10〕0●林丹(中国)43分
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−17、21−15〕0●アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)59分
李東根(韓国)②〔19−21、21−16、21−18〕1●スリカンス・キダムビ(インド)79分
コーシット・ペッパダブ(タイ)②〔21−19、24−22〕0●諶龍(中国)62分
▼準決勝
桃田賢斗 − ビクター・アクセルセン(デンマーク)
李東根(韓国) − コーシット・ペッパダブ(タイ)
【女子シングルス】
日本勢は大堀彩(写真)、奥原希望が勝利を飾り、準決勝進出を決めた。大堀は中国の19歳、高昉潔(ガオ・ファンジェ/中国)を2−0のストレートで退け、ジャパンOPでは2016年以来となる2年ぶりのベスト4入り。また奥原は、世界ランク1位の戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)を2回戦で破った中国の陳暁欣(チェン・シャオシン)を17本、16本で退けた。奥原はこれで2年連続でベスト4。3年ぶり2度目の優勝に一歩近づいている。15日の準決勝は、その奥原と大堀の日本人対決が決まった。
2回戦で中国の若手選手を退けた山口茜は、8月に入ってから世界選手権、ジャカルタ アジア大会の団体、個人戦と3度対戦している陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)と激突。アジア大会では1勝1敗の結果に終わった両者の対決だが、今回はファイナル勝負の末、陳雨菲に軍配があがった。山口は第1ゲームを落としたあと、第2ゲーム中盤から盛り返し、1−1のイーブンに戻す。ファイナルゲームでは7−4までリードする状況を作ったが、終盤は疲れが見えたのか逆転を許し敗戦。2013年以来5年ぶりの優勝はならなかった。
その他準決勝に進んだのは、世界選手権3度の栄冠を誇るキャロリーナ・マリン(スペイン)。ラチャノック・インタノン(タイ)とのトップランカー対決を18本、19本で制して、大会2連覇に向けて好調をキープしている。
▼準々決勝
奥原希望②〔21−17、21−16〕0●陳暁欣(中国)54分
大堀 彩②〔21−14、21−12〕0●高昉潔(中国)47分
キャロリーナ・マリーン(スペイン)②〔21−18、21−19〕0●ラチャノック・インタノン(タイ)47分
陳雨菲(中国)②〔21−13、15−21、21−15〕1●山口 茜68分
▼準決勝
奥原希望 − 大堀 彩
陳雨菲(中国) − キャロリーナ・マリーン(スペイン)
<選手コメント>
4日目−1/2
取材・文/田辺由紀子
写真/菅原 淳