4年に一度開催されるアジアのビッグイベント「第18回アジア大会」のバドミントン競技は26日、男女シングルスと男子ダブルスの準々決勝、女子ダブルスと混合ダブルスの準決勝が行なわれた。ここでは、女子シングルスの日本選手の結果をお伝えしよう。
【女子シングルス】
1回戦から実力差のある相手に快勝を重ねてきた山口茜(写真)は、準々決勝で大一番を迎えた。相手は中国エースの陳雨菲(チェン・ユーフェイ)。22日に行なわれた団体戦の決勝では苦杯をなめた同世代のライバルだ。
第1ゲーム、山口が終盤まで先行される展開で進んだものの、「団体戦のときは小さいプレーが多くなり、力が入り過ぎていた部分があった。でも今回は肩の力を抜いて大きいプレーを心がけた」と、持ち味のねばり強さと攻撃力を発揮。17-19から4連続得点で逆転に成功すると、第2ゲームは山口が支配した。制球の定まらない相手に対して序盤でリードを奪うと、8−6から一挙9連続得点。以降も多彩なショットで畳みかけた山口が、21−11で振りきった。
アジア大会は3位決定戦が行なわれないため、日本は2010年の中国・広州大会で廣瀬栄理子が銅メダルを獲得して以来、2大会ぶりとなる女子シングルスのメダルを確定。1998年のタイ・バンコク大会で優勝を果たした米倉加奈子に続く決勝進出をめざし、準決勝でプサルラ・V.シンドゥ(インド)と対戦する。
◇選手コメント
山口「1ゲーム目はシャトルが飛ぶほうだったので、まずはしっかりコントロールして、後ろもしっかり使っていくイメージで入りました。自分が考えているよりはシャトルもそんなに伸びず、コントロールできていた。ずっとついていく展開ではありましたが、少し力んでスマッシュがいいコースにいかなかったり、アウトにすることが多かった団体戦に比べて、今日は力むことなくラリーができていた。我慢して1ゲーム目を取れたのがすごく大きかったです。余裕を持ってというか、まずはラリーすることを意識して、明日以降も戦えたらと思います」
▼準々決勝
山口茜②〔21−19、21−11〕0●陳雨菲(中国)38分
▼準決勝
山口茜 - プサルラ・V.シンドゥ(インド)
奥原希望(写真右)は、メダル獲得をかけて世界ランク1位の戴資頴(タイ・ツーイン/台湾)と対戦。2016年3月のインドネシアOP以来、約2年ぶりに相まみえた。試合前日、「久々の対戦ですごくワクワクしている」と話していた奥原だが、準々決勝のコートに立った敵は“相手”ではなく、会場内に吹く“風”だった。第1ゲーム前半からシャトルコントロールに苦しみ、なかなかリズムをつかめない奥原。そのまま第1ゲームを15−21で失うと、第2ゲームは風上から力強い球で押してくる相手に対して後手にまわり、得意のラリー戦に持ち込めず。最後は10−21で敗れ、初めてのアジア大会をベスト8で終えた。
◇選手コメント
奥原「相手にやられたというより、自分のコントロール不足。2ゲーム目はもっと自分が押していければよかったですが、甘くなった球に対して相手にきっちり打たれてしまった。相手は風への対応が早くて、先手を取られてやられてしまいました。今日は風にやられましたが、自分と似たようなタイプで、相手の動きをしっかり見て変化させてくる選手なので、短い試合のなかでもいろんな駆け引きがあった。それに関してはすごく収穫があったかなと思います」
▼準々決勝
奥原希望●0〔15−21、10−21〕②戴資頴(台湾)36分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳