4年に一度開催されるアジアのビッグイベント「第18回アジア大会」のバドミントン競技は25日、女子シングルスと男子ダブルスの2回戦、男子シングルスの3回戦、女子ダブルスと混合ダブルスの準々決勝が行われた。ここでは、男子ダブルスと混合ダブルスの日本選手の結果をお伝えしよう。
【男子ダブルス】
井上拓斗/金子祐樹は、7月のインドネシアOP決勝で対決したギデオン/スカムルヨ(インドネシア)と接戦を展開した。第1ゲームは16本で失ったものの、第2ゲームは「思いきってサービス場面などで勝負を仕掛けていけた」(井上)と、序盤からリードを保って21—19でファイナルゲームへ突入。勢いそのままに11-7と先行した。しかし、14-11から追いつかれると、スピードが増した相手に逆転を許し、最後は18-21。4連敗中の相手を打ち破ることはできず、ベスト16という結果で初めてのアジア大会を終えた。
◇選手コメント
嘉村「サービス周りでうまくクロスに逃げてくる相手で、そこはわかっていた。でも連続してやられていたので、一つでもあそこで点数を取れていれば流れが変わったと思う。負けているときは同じようにやられている。それは変えていかないと難しい。(ベスト16という結果について)ただ悔しいというよりも、いまの自分の実力を感じました。こういう大きな大会で勝たないと意味がない。またイチから頑張っていきたい」
園田「相手の後衛のほうがすごく球を沈めてきて、そこでやられた。そこから自分たちの攻撃や低空戦ができなくなった。競ったときに、萎縮してしまいました。でも相手は、攻めてきていた。その辺りが勝敗を分けたかなと思う。この結果をしっかり受け止めて、見つめ直してやっていきたい」
金子(写真左)「相手が緒戦だったので、ここまで競れたと思います。ファイナルゲームはリードしていても、追い付かれることは想定していました。でも、追い付かれるのが早くて相手に余裕を持たせてしまった。そこまでにもっと工夫してやりたかった。相手とは一概に、最後の2、3点の差ではないと思う。でも、変な相手に負けたわけではないし、いい意味でとらえればポイントも入らない大会。相手の地元でここまでの勝負できたのはよかった」
▼2回戦
園田啓悟/嘉村健士●0〔14−21、17−21〕②オンYS/テオEY(マレーシア)38分
井上拓斗/金子祐樹●1〔16−21、21−19、18−21〕②ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)65分
【混合ダブルス】
6月のマレーシアOPからペアを組む保木卓朗/米元小春は、世界王者の鄭思維/黄雅瓊(ツェン・シーウェイ/ファン・ヤーチョン・中国)と対戦。第1ゲームは早いタッチで仕掛けてくる相手に押し込まれて13本で失うと、第2ゲームも追いかける展開から逆転できず。15-21で敗れてベスト8で大会を終えた。
◇選手コメント
渡辺「3ゲーム目はずっと点数的に負けている場面が多かった。先に11点を取れていればと。そこでうまくリードさせてくれないのがうまい人たちだと思う。自分たちは点数を取りたい気持ちが大きくなって、余裕がなかった。いいラリーはしていたけど、勝っていたのは相手のほうでした。実力的にもランキング的にも、ベスト8というのはまずまずの結果だと思う」
東野「1ゲーム目から押される展開で引く場面がすごく多かった。2ゲーム目は結構リードされていたので開き直って、自分が前に出る形を多く意識したらハマって取れたと思う。でも……あの展開じゃダメ。負け試合だと思う。世界選手権と同じ相手に負けているので、そろそろ勝ちたい。もう1回、今日の試合のビデオを見て、反省点をしっかり考えて次は絶対勝ちたい」
保木(写真左)「1ゲーム目も2ゲーム目も序盤で点数を離されてしまったのがもったいないゲームだった。でも、後半は自分たちのかわすプレーが通用していたので、それを前半からやれればよかったと思います。世界ランク1位と対戦して世界トップのスピードを体感できたので、次のジャパンOPに生かしたいですし、ミックスでも東京五輪をめざせるチャンスがあれば頑張っていきたいです」
米元(写真右)「速い展開のときにドライブの展開をもう少し待って、終盤みたいに球をサイドでしっかり止めることができたらチャンスがあったのかなと思うんですけど、その展開で押し切られたところもあった。もう少し早く対応できたらよかったと思います。いま一番強い相手とこの大会でプレーできたのはすごくいい経験になりました。今後のミックスダブルスにも生かしてもっと強くなっていきたいです」
▼準々決勝
渡辺勇大/東野有紗●1〔17−21、21−18、17−21〕②王懿律/黄東萍(中国)50分
保木卓朗/米元小春●0〔13−21、15−21〕②鄭思維/黄雅瓊(中国)31分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳