【アジア大会】日本はインドネシアに敗戦も48年ぶりの銅メダル!<男子団体>

4年に一度開催されるアジアのビッグイベント「第18回アジア大会」のバドミントン競技は21日、男女団体戦の準決勝が行なわれた。男子団体で48年ぶりのメダルを確定させた日本男子は、開催国のインドネシアと対戦。勝てばアジア大会団体で初の決勝進出となる日本は、大勢の熱狂的なファンが席を埋め尽くす完全アウエーの中で戦った。

先陣を切ったのは、チームのエースとして初戦から連勝を続けている桃田賢斗。トップシングルスであるアンソニー・シニスカ・ギンティンとの第1ゲームは「自分のコートからのシャトルが飛んでいたので、アウトにしないようにコントロールしすぎた。その結果、相手にねらわれた」と、守勢に回ることが多くなり14-21で先制を許す。しかし、第2ゲームは「後ろに押して長いラリーに持っていこう」と、相手の攻撃をしっかりさばいてから得点を奪った。リズムをつかんだ桃田が21-14ですぐに取り返す。

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ラリー勝負ではしっかりペースを掌握した桃田賢斗

この勢いのままファイナルゲームも圧勝かと思われたが、地元ファンの前で負けられないギンティンも奮起。桃田もねばり強くシャトルを追ったが、相手のスピードを抑えられず8-15とリードを許してしまう。

苦しい展開となった桃田。だが「ここで諦めるわけにはいかない」と、負けじとスピードを上げた。「相手のヘアピンにもなりふり構わずダッシュして」シャトルを拾い続けると、相手のミスを誘って点差をつめる。疲労が溜まるギンティンから一気に11連続得点で逆転すると、最後は21-16で勝利。ガッツポーズを見せた桃田がしっかり役割を果たし、チームの白星をつかんだ。

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勝利の瞬間ガッツポーズで喜びを表す桃田
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桃田と接戦を繰り広げたギンティンに対して朴柱奉監督は「ベストパフォーマンスだった」と称賛

桃田の勝利で勢いに乗りたかった日本だが、相手の第1ダブルスは世界ランク1位でインドネシアの最強エース・ギデオン/スカムルヨ。日本は世界選手権で勝利した園田啓悟/嘉村健士が登場したが、2人の土俵ではなかなか力を発揮できずに0−2で敗戦。さらに第2シングルスの西本拳太も15-21、19-21で敗れ、日本は1−2。逆転を許して、後がない状況となった。

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最強ペアにストレート負けを喫した園田啓悟(右)/嘉村健士。「相手の思うつぼにハマってしまった」と嘉村

第2ダブルスに起用された井上拓斗/金子祐樹だったが、2人にとってはこの試合がアジア大会での初戦。「相手の思い通りにやられてしまった」とは金子。第1ゲームを10−21で落とすと、第2ゲームも10-21で完敗。日本は1−3でインドネシアに敗れてベスト4。1970年以来、48年ぶりの銅メダルが決まった。

▼準決勝

日 本 1−3 インドネシア

桃田賢斗②〔14−21、21−14、21−16〕1●アンソニー・シニスカ・ギンティン84分

園田啓悟/嘉村健士●0〔18−21、12−21〕②ギデオン/スカムルヨ31分

西本拳太●0〔15−21、19−21〕②ジョナタン・クリスティ54分

井上拓斗/金子祐樹●0〔10−21、10−21〕②アルフィアン/アルディアント33分

【コメント】

桃田賢斗「ファイナルゲームで(相手が)8-15になったとき、このまま諦めるわけにはいかないと思いました。この流れで(後続に)渡したらチーム自体が危ないと思ったので、明日、試合に出られなくなってもいいと思って足を動かせたのが逆転できた要因かと思います」

嘉村健士「相手が先手をとってしまうと向こうのペースになると思ってました。なるべく自分が前衛で上げさせる形をつくれればよかったけど、相手が前に落としてきた。世界選手権のときは上げてきたけど、(今回は)落としてもそのあとに強い球という展開が多くて、そこをかわしきれずに相手の思うつぼにはまってしまいました」

園田啓悟「世界選手権は自分たちの低い展開が通用しました。でも、今回は向こうのスピードや、無理せず落としてきたり、というのを戦略としてやってきたと思います」

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西本拳太「団体戦なので最後の最後まで戦い抜く気持ちで、あきらめない気持ちでやったんですけど、1点を急いでしまいました。いいロブじゃなくなって、相手の手の届くところに打ってしまったのが反省点です」

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井上拓斗(右)「トマス杯で活躍できなかったので、ここでは勝ってやろうとコートに入りました。1ゲーム目の11点のインターバル以降は完敗で、何もできなかったです。第1試合で桃田選手がああいう形で勝ってくれたのに、申し訳ない気持ちでいっぱい」

金子祐樹「後ろの人(常山幹太)に回そうという気持ちで入ったけど、相手の思い通りにやられてしまって完敗でした」

【大会日程・団体戦(男子13カ国、女子11カ国が参加)】

19日(日)…男女1回戦

20日(月)…男女準々決勝

21日(火)…男女準決勝

22日(水)…男女決勝

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

投稿日:2018/08/22
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