4年に一度行なわれる『アジア大会』が8月18日にインドネシア・ジャカルタで開幕。バドミントン競技は19日から22日まで団体戦、23日~28日まで個人戦を実施する。その初日は、悲願の団体初優勝をめざす日本男子が登場。1回戦から強敵のマレーシアと激突した。
第1シングルスで日本の先陣を切ったのは、世界選手権王者の桃田賢斗だ。相手は同大会銅メダリストのダレン・リュウ。世界選手権の準決勝では問題なく退けている相手に対し、ここでも桃田が強さを見せつけた。第1ゲームは「先手を取っていこうと思った」と積極的に攻めて13本で先制。第2ゲームは中盤まで競り合ったものの、「ラリーに持ち込めば相手が嫌がっているのがわかっていた」という桃田が冷静にラリーを構築。6連続得点などで抜け出すと、14本に抑えて貴重な先制点を得ることに成功した。
勝てば日本の勝利が決まる第2シングルスには、西本拳太が登場。186センチの長身からアグレッシブに攻めてくる若手に対して苦しむ場面もあったが、18本、17本のストレート勝ち。日本が見事3連勝で準々決勝進出を決めた。「強い相手でしたが、予想以上にスムーズに勝てた」とは朴柱奉監督。絶対エースのリー・チョンウェイが不在とはいえ強国のマレーシアに快勝した日本は、明日20日の準々決勝、韓国とメダルをかけて争う。
【コメント】
第1シングルス:桃田賢斗
「相手は世界選手権の準決勝と同じように先手を取ろうと打ってくると思っていたので、自分がしっかり先手を取ろうと思って試合に臨みました。(スマッシュが多いように見えたが)痛めていた腹筋も治りましたし、風のある体育館なので攻めていかないとディフェンスだけでは難しいと思いました。しっかりラリーもしていけたのでよかったです。
4年に一度のアジア大会で緊張もありましたが、この舞台に立てることに対して感謝の気持ちがあります。試合をできることがすごくうれしい。今日は楽しくプレーできたんじゃないかと思います」
第1ダブルス:嘉村健士(キャプテン)
「今日の勝因は1ゲーム目と2ゲーム目で戦略を変えたこと。1ゲーム目はシャトルが飛ばないコートだったので、自分が前衛で押していって、甘い球を上げさせる形。でも2ゲーム目は飛ぶコートだったので、前衛で緩い球を多用して攻撃につなげていけたのがよかったです。トマス杯ではキャプテンとしてチームを引っ張らないといけない気持ちがすごく強く出てしまって、なかなか自分のプレーに集中できずに終わって…本当にチームメートに迷惑をかけてしまいました。でも今回は、しっかりまとめるところはまとめて、自分の試合に集中して試合でチームに貢献したいと思っています。(インドネシアの観客の応援がすごかったが)現地のファンも味方につけて、明日以降も頑張りたいです」
日本の試合結果は以下の通り。
◆1回戦結果(19日)
日本 3-0 マレーシア
桃田賢斗②〔21-13、21-14〕0●ダレン・リュウ
園田啓悟/嘉村健士②〔21-18、21-18〕0●ゴーVS/タンWK
西本拳太②〔21-18、21-17〕0●リー・ジジャ
【大会日程・団体戦(男子13カ国、女子11カ国が参加)】
19日(日)…男女1回戦
20日(月)…男女準々決勝
21日(火)…男女準決勝
22日(水)…男女決勝
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳