『静岡インターハイ』(8月5日~9日/静岡県・浜松アリーナ、浜北総合体育館)の競技5日目、9日(木)は、浜松アリーナで男女個人戦シングルス・ダブルスの準決勝と決勝が行なわれた。ここでは、男子シングルスのダイジェストをお伝えしよう。
【ダイジェスト】
シングルス準決勝では、ダブルスの雪辱を果たすように、奈良岡功大(浪岡)がファイナルゲーム14本で中山裕貴(埼玉栄)から逃げ切った。これにより、単複決勝での埼玉栄対決という快挙は実現しなかったが、まだ緑川大輝(埼玉栄)の三冠の夢が残っていた。そんななか、準決勝は服部輝正(福井工大附福井)に9本、13本で快勝。決勝は奈良岡と緑川の上位2シード対決となった。
第1ゲームは接戦の末、奈良岡のゲームポイントもしのいで緑川が23-21で先取。第2ゲームは奈良岡が14本で奪い返したが、1ゲーム目を落とした影響は大きかった。実は大会直前に左足首をケガしたという奈良岡。患部をかばうため、ふくらはぎや太モモにも支障が出て、ファイナルゲームは中盤から動きが急速に衰えた。痛みに顔を歪め、まったくポイントを奪えない。7-18まで戦いながら途中棄権を決断せざるをえなかった。
21点目のゴールテープは切れなかったが、緑川の勝利の価値が損なわれるはずはない。男子では、同じ埼玉栄の先輩、星野翔平以来で9年ぶりの三冠達成だった。
【優勝コメント】
優勝☆緑川大輝(埼玉栄)
「最後のインターハイ、失うものはないという思いで、とにかく最初から全力でプレーすることだけ考えていました。最後まで試合をやって勝ちたかったのが本音ですけど、先輩方のあとを継ぐ三冠ができて、よかったです」
【男子シングルス結果(9日)】
🔻準決勝
奈良岡功大(浪岡)②〔21-9、19-21、21-14〕1●中山裕貴(埼玉栄)
緑川大輝(埼玉栄)②〔21-9、21—13〕0●服部輝正(福井工大附福井)
🔻決勝
緑川大輝 〔23-21、14-21、18-7棄権〕 奈良岡功大
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★静岡インターハイの熱戦の模様は、8月22日(水)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します。
取材・文/山口奈緒美
写真/江見洋子