『静岡インターハイ』(8月5日~9日/静岡県・浜松アリーナ、浜北総合体育館)の競技2日目、6日(月)は、浜松アリーナで男女団体戦の準々決勝~決勝が行なわれた。女子は、ふたば未来学園(福島)が決勝で青森山田を3-1で破って3連覇を達成。男子は埼玉栄(埼玉)がストレート勝ちで2年ぶりの頂点に立った。ここでは、女子のダイジェストをお伝えしよう。
【女子ダイジェスト】
準々決勝からスタートした女子団体2日目。埼玉栄(埼玉)、ふたば未来学園(福島)、名経大市邨(愛知)、青森山田(青森)の4チームがベスト4進出を決めた。そして、準決勝では選抜2位の青森山田が名経大市邨に3-0と快勝した一方で、埼玉栄とふたば未来の試合は激戦となった。U19ナショナルメンバーを多数擁する強豪同士の対戦は、第1複をふたば未来の水井ひらり/内山智尋が制すれば、第2複では埼玉栄の鈴木陽向/大澤佳步が奪い返すというシーソーゲームに。結局、2-2で迎えた第3単をエース・水井で制したふたば未来が決勝進出を果たした。
ふたば未来学園と青森山田。近年、幾度となく優勝を争ってきた東北ライバル同士による決勝戦は、3面展開で火蓋が切って落とされた。先制したのは青森山田だった。第1複の大石悠生/大竹望月が水井/内山に19本、14本のストレート勝ち。しかし、直後にはふたば未来の1年生・中静朱里が高橋沙弥を18本オールで退け、すぐさまスコアをタイに戻す。
そして、大激戦となったのは第2複だ。ふたば未来の3年生・佐藤杏/福本真恵七と青森山田の1年生ペア・髙橋美優/加藤佑奈の試合は、ファイナルに入って14-10と佐藤/福本がリード。しかし、ここから流れをつかんだ髙橋/加藤が9連続得点で逆転する。19−14として、青森山田が優勝へ王手をかけるかに思われた。それでも、ここであきらめなかったのが佐藤/福本だ。「応援してくれている保護者や男子、仲間たちを見たら頑張らなければいけないと思った」(福本)と、7連続得点で一気に勝利をつかみ取り、ふたば未来が優勝へあと1勝とした。
こうなると、選抜単複王者の水井を擁するふたば未来が有利になる。第2・3単が2面展開でほぼ同時に始まると、水井はこの日だけで5試合目ということもあり疲れも見えたが、青森山田の森優紗を23本、15本で撃破。ベンチからはふたば未来の選手たちが駆け寄り、歓喜が広がった。
大会3日目の8月7日(火)は、女子個人ダブルスの1回戦~準々決勝が浜松アリーナで、男子個人ダブルスの1回戦~準々決勝が浜松アリーナと浜北総合体育館で行なわれる。試合開始時間は9時半の予定。
【優勝コメント】
◆本多裕樹監督
「準決勝も決勝もそうですけど、一つの油断が命取りになるような戦いだったと思います。今大会の優勝は(IH出場を逃した)男子のおかげでもあったと思うんです。男子の分まで頑張ろうという気持ち。悔しい気持ちも一緒に戦っていこうというのを練習の段階から感じていました。男子の無念を本気になって感じていたのが印象的です」
◆水井ひらりキャプテン
「優勝を決めたときは、あまり実感がなくて(笑)。勝つことに必死だったので、みんなが駆け寄ってきたときにやったなと。選抜は負けてしまったので、今大会はチャレンジャーとして自分たちで優勝を取りに行こうという気持ちで臨むことができました。明日から個人戦が始まりますが、目標は3冠です。自分らしく、最後のインターハイで持っている力を出しきって優勝できればいいなと思います」
【6日の試合結果】
🔻準々決勝
埼玉栄(埼玉) 3-0 聖ウルスラ学院英智(宮城)
ふたば未来学園(福島) 3-0 柳井商工(山口)
名経大市邨(愛知) 3-2 西武台千葉(千葉)
青森山田(青森) 3-0 九州国際大付(福岡)
🔻準決勝
ふたば未来学園 3-2 埼玉栄
青森山田 3-0 名経大市邨
🔻決勝
ふたば未来学園 3-1 青森山田
水井ひらり/内山智尋0●〔19-21、14-21〕②大石悠生/大竹望月
佐藤 杏/福本真恵七②〔21-15、18-21、21-19〕1●髙橋美優/加藤佑奈
中静朱里②〔21-18、21-18〕0●高橋沙弥
木村百伽 〔21-13、9-21、10-16打切り〕 髙橋美優
水井ひらり②〔25-23、21-15〕0●森 優紗
★女子団体の最終結果はこちら
★静岡インターハイの熱戦の模様は、8月22日(水)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します。
取材・文/吉井信行 写真/黒崎雅久