フォア面とバック面、異なる形状のフレームを組み合わせるという画期的な発想と技術で世界を驚かせたラケット、ヨネックス社の「DUORA (デュオラ)」。これまで、男子シングルスの“レジェンド” リー・チョンウェイ(マレーシア)や女子ダブルスの髙橋礼華(日本ユニシス)ら多くのトッププレーヤーがその手に握り、世界レベルのプレーを生み出してきた。
一般プレーヤーの間でも大人気のシリーズで、ハードヒッター向けとされるのが「DUORA 10」。発売直後から現在まで多くのファンを持つが、女性や中上級者層から「もっと軽く、扱いやすくしてほしい」という声が寄せられたという。
そこで新たに開発されたのが、「DUORA 10 LT」。DUORA 10の特長に加え、衝撃吸収性を持つ素材「バイブスレイヤーカーボン」を採用し、ヒジや手首への衝撃を軽減。さらに、ラケット全体で約5グラム軽量化することで、操作性の向上を実現。試合を有利に進められる攻撃的な性能に、柔らかな打球感と軽さを加えた。
◇試打したラケット
「DUORA 10 LT」(ヨネックス社)
▼素材=高弾性カーボンフレーム+ナノメトリック DR+Ni-Ti ファイバー+バイブ スレイヤーカーボン、高弾性カーボンシャフト+ナノメトリック、新内蔵T型ジョイント
▼カラー=ピンク/イエロー
▼サイズ=4U(平均 83g)4・5・6
▼発売=2018年6月
▼メーカー希望小売価格=26,000円+税
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「DUORA 10」(ヨネックス社)
▼素材=高弾性カーボンフレーム+ナノメトリックDR+Ni-Tiファイバー、高弾性カーボンシャフト+ナノメトリック、新内蔵T型ジョイント
▼カラー=ブルー/オレンジ
▼サイズ=3U(平均88g)4・5、2U(平均93g)4・5
▼発売=2017年9月
▼メーカー希望小売価格=26,000円+税
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◇コメント紹介
6月末、元・日本代表で、現在は日本代表コーチを務める廣瀬栄理子さんと、『バドミントン・マガジン』編集スタッフ2名によるプチ試打会を、ヨネックス社の厚意で開催! 「DUORA 10」「DUORA 10 LT」を、好みのガットテンションに張り上げていただき、さまざまなショットを打ってみた。以下に、それぞれのコメントと「手応えを感じたショット」を紹介させていただく。
元日本代表から市民プレーヤーまで、かなり幅広い(!)人選での試打会。今後のラケット選びの参考になれば幸いです!
廣瀬栄理子
(元・日本代表、現・日本代表コーチ)
【タイプ】30代、女性、元日本代表。世界を相手に戦ってきたシングルスプレーヤー。
【手応えを感じたショット】
DUORA 10=カット、ロブ、クリアー、スマッシュ
DUORA 10 LT=ドライブ、ヘアピン
「最初はDUORA 10 LTのほうが全体的に打ちやすいかなと思ったんですが、カットやロブといった大きいショットは、DUORA 10のほうが打ち応えがあり、慣れてくると、そのよさをさらに感じることができました。私はラリーの中で結構攻めたいタイプなので、DUORA 10のほうがスマッシュやカットといった攻撃的なショットが打ちやすかったのも大きいと思います。
最初は重さが気になったんですが、そのぶんスイングスピードが出ている感じがして、打っていくにつれて気にならなくなりました。フォア、バックとも大きな力を入れなくても、速くてパワーのあるショットが打てたのもいいですね。
DUORA 10 LTはドライブなど、速いショットを打ちたいときの弾きがとてもよかったです。あとはヘアピンで、ラケットの面がすごく切りやすい感覚がありました。全体的に、操作性が高かったです。
DUORA 10は攻撃的で、DUORA 10LTはバランスよくまとまっていて攻守に活躍しそうな印象を受けました」
佐々木和紀
(『バドミントン・マガジン』編集スタッフ)
【タイプ】30代、男性、長身のハードヒッター。バックハンドが得意。
【手応えを感じたショット】
DUORA 10=バックドライブ
DUORA 10 LT=ドライブ、プッシュ
「DUORA 10は弾きがよくて、とくにバックドライブで、より鋭い球を打つことができました。バックが得意な自分にとっては、さらに大きな武器になりそうです。
DUORA 10 LTはコンパクトに振れてコントロールしやすかったので、前衛タイプにはいいと思います。あとは、年齢を重ねて力が衰えてきたと感じている男性プレーヤーは、試してみる価値があると思います。物足りなさはまったくないですから。
実際にさまざまなショットを打たせてもらって、DUORA 10、DUORA 10 LT、それぞれの特徴を感じることができました。どちらも、いま自分が使っている古いタイプのラケットより全然いいです! 技術革新ってすごいなと、あらためて感じました(編集部注:試打から数日後、DUORA 10 LTを購入)」
平田美穂
(『バドミントン・マガジン』編集スタッフ)
【タイプ】40代、女性、小柄なレディースプレーヤー。ねばりが身上。
【手応えを感じたショット】
DUORA 10=スマッシュ、クリアー
DUORA 10 LT=連続スマッシュ、レシーブ
「ねばりが身上のレディースプレーヤーですが、スマッシュもガンガン打ちたい! ということで、DUORA 10はずっしりとした重量感があって、スマッシュが沈む、クリアーが力強く飛ばせるなと感じました。
DUORA 10 LTは、扱いやすいラケットでした。普段は3Uを使っているので、4Uは軽いかなと思っていましたが、違和感はまったくなかったです。スマッシュは走るし、連続スマッシュでは遅れずに振れるし、レシーブはコントロールしやすかったです。
パワーのない自分が買うなら、迷わずDUORA 10 LT。ただ、試合序盤はDUORA 10で押して、疲れてきたらDUORA 10 LTにチェンジというのも、ありかもしれません」
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部、平田美穂