8月2日に開催された世界一を決める最高峰の舞台『第24回世界選手権』(中国・南京)4日目は、各種目3回戦が行なわれた。ここでは男子シングルスの桃田賢斗、西本拳太の結果をお伝えしよう。
ここまで格下相手に余裕の試合運びで連勝してきた桃田賢斗。しかし、3回戦では思わぬ苦戦を強いられた。相手はシード選手でデンマークの若手・アンダース・アントンセン。一発の重たいスマッシュを持ち、初対戦となる相手に対して桃田は「まずはコントロールしようと思って、ラリー(勝負)をしてしまった」と、スマッシュを控えてカット、クリアーが中心。しかし、これが裏目に出てしまい、相手の強打にリズムを崩され「後手になってしまった」と第1ゲームを13-21で落としてしまう。
第2ゲームはスピードを上げて対応する桃田だが、相手もねばり強く食らいつく。17-12と5点差をつけても、ここからアントンセンが猛追して18-17。桃田は「負けを覚悟した」と振り返るが、最後はなんとかしのぎきって21-17でファイナルゲームに持ち込んだ。
その第3ゲームは、相手のスタミナが切れて完全に桃田ペース。「気持ちでは負けなかった」と、落ち着いて球を回してポイントを重ねて、最後は21-8で勝利。苦境もしっかり跳ね返す体力、精神力で3回戦を突破した。
▼3回戦
桃田賢斗②〔13−21、21−17、21−8〕1●アンダース・アントンセン(デンマーク)73分
▼準々決勝
桃田賢斗 − サイ・プラニース.B(インド)
初出場で3回戦に進出した西本拳太は、2016年リオ五輪金メダリストの諶龍(チェン・ロン)と対戦。地元中国の強敵を前にしながらも「力を出し切ろうと思って入った」という第1ゲーム、序盤から相手の力強い球をしのいでポイントを重ねる。鋭いドライブ、強烈なスマッシュもしっかりレシーブし、ラリー勝負になっても諶龍に力負けをしない。第1ゲームを奪われたものの、18-21と接戦を繰り広げる。
すると、前半のねばりが効いたのか、第2ゲームは西本がリードをつかんだ。相手のミスも重なったが、西本は体まわりの球をしっかりさばき、自分の攻撃につなげるシーンを何度も作った。13-6、17-14と先行しながら試合を進めたが、ここで五輪王者が底力を発揮。勝負所で西本は攻め立てられ、5連続失点で17-19と逆転を許す。なんとか追いつこうとした西本だったが、最後は諶龍に振り切られ19-21で敗戦。試合後「今日の試合のパフォーマンスは西本が上だったと思う。第2ゲームは正直焦った。なんとか最後に調子を取り戻して勝つことができた」と諶龍。王者を追い詰める戦いぶりだった。
西本 第1ゲームは中盤から後半にかけて(西本が)追いついた場面で、自分よりも相手が勝負にきていたというか、そこに経験の差があったかなと思います。1ゲームは3点差、2ゲーム目は2点差で負けたけど、それ以上に差はある。本当に悔しい気持ちが大きいので、世界王者ではあるけども、いつかは倒したい相手。現役の間に対戦して勝てるように頑張っていきたいです。
▼3回戦
西本拳太●0〔18−21、19−21〕②諶龍(中国)65分
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取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/北川外志廣