8月2日に開催された世界一を決める最高峰の舞台『第24回世界選手権』(中国・南京)4日目は、各種目3回戦が行なわれた。ここでは女子ダブルス髙橋礼華/松友美佐紀VS松本麻佑/永原和可那、女子シングルス山口茜の結果をお伝えしよう。
【女子ダブルス】
日本人対決となった女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀と松本麻佑/永原和可那の勝負。国際大会では松本麻佑/永原和可那も互角の勝負を演じており、前日の試合後に永原は「前回は負けているので次は勝ちたい」と闘志を燃やしていた。その第1ゲーム、先手を奪ったのは松本/永原だ。ドライブ勝負から強打につなげてポイントを重ねる。対する髙橋/松友は、レシーブ場面が多くなり劣勢に。攻撃のチャンスも松本/永原のねばり強いディフェンスでなかなかリズムが作れず、第1ゲームは21-13で松本/永原が奪った。
第2ゲームに入っても勢いは松本/永原にあった。「低い展開にも対応できた」と、後手に回らず髙橋/松友に上げさせた球をしっかりと決めきる。とくにクロスへのスマッシュが効いた。逆に髙橋は「何をしてもとられるし、打たれたらミスをしてしまう。自分でもよく考えられなくなっていた」。最後まで迷いを払拭できなかった髙橋/松友に対し、最後まで攻めきった松本/永原が21点をつかみ、挑戦者の2人に軍配があがった。
松本(左) 日本人対決ということで、昨日よりは余裕を持って戦えたかなと思います。最初から最後まで攻め続けることができてよかったです。前回(マレーシアOP)は低い展開で作られ、自分たちの準備が遅くなり負けてしまった。そこをしっかり準備して入ったので、低い展開にも対応できたかなと思います。気持ちも張り詰めていたので、終わった瞬間はうれしい気持ちでした。
永原 前回はファイナル勝負で負けて悔しい思いをしたので、もう一回、自分たちの力をぶつけて勝ちにいく気持ちでいけたので、それが結果につながってよかったかなと思います。髙橋さんが後ろで、松友さんが前という形が一番強いので、そうさせないようにやりました。今日勝っても安心しないで、一戦一戦、気持ちを作り直して頑張りたいです。
髙橋(左) 何をしてもとられるし、打たれたらミスをしてしまう。自分でも考えられずに“どうしたらいいんだろう”となってしまった。戦術というよりも、レシーブができなさすぎたと思います。同じようなところでやられ、同じようなミスをして。相手がパワーはあるのがもちろんですが、私たちはパワーがないぶん、相手を動かしたり、相手の嫌なところをついていかないといけない。でも、それができていなかったし、引き出しもそこまでしかなかった。自分たちがダメなときのプレーのやり方を考えないといけないと思いました。
松友 自分たちの形を作ろうとしすぎて空回りしてしまいましたが、試合の中で切り替えないといけない。打たれるのは当たり前の中で、どうやって打たせて自分たちの形を作っていくかでしたが、打たれると思いすぎて変に構えて無理にやろうとしてしまったのがいけなかったと思います。
▼3回戦
松本麻佑/永原和可那②〔21−13、21−15〕0●髙橋礼華/松友美佐紀37分
▼準々決勝
松本麻佑/永原和可那 − ジョンコパン/ラウィンダ(タイ)
【女子シングルス】
前回大会では3回戦で敗れた山口茜。「去年はベスト16で負けたことがない相手に負けてしまった(陳雨菲に敗戦)。今回も負けたことがない相手だったので、今年も何かあるかもと思い緊張した」と、鬼門の3回戦を警戒しながら試合に入った。
その対戦相手となるニチャオン・ジンタポルは、5月のユーバー杯準優勝の立役者の一人。決して侮れない選手だったが、「受け身にならずに自分からしっかりラリーを作ろうと思った」と、序盤から先手を奪いにいった。すると、ねらい通り前半からペースを握った山口は、的確なショットで相手を走らせポイントをつかんだ。21-12で抑えて第2ゲームに入っても、山口の流れは変わらない。相手のクロスのショットにもしっかり対応。競り合った場面でも、慌てず長いラリーで相手のミスを誘い得点を重ねた。最後は21-12で封じた山口が危なげなく勝利をつかみ、準々決勝にコマを進めている。
山口 昨日は相手に合わせて受け身になったというか、ラリーが多くなってしまった。でも、今日は自分でしっかりラリーを作るということで、スピードもあげていけたし、自分から仕掛ける場面が多かった。最近の試合では、思いきってやれたかなと思います。去年の結果を超えられたのはうれしいけど、ベスト8だから(最近の結果と)変わらないな、という感じです(苦笑)。
▼3回戦
山口茜②〔21−12、21−12〕0●ニチャオン・ジンタポル(タイ)38分
▼準々決勝
山口茜 − 陳雨菲(中国)
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取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/北川外志廣