7月28日、BWFツアー・ヨネックス秋田マスターズ(秋田市・Super100)は大会5日目を迎え、各種目で準決勝が行なわれた。各種目のダイジェストと選手コメントを紹介する。
【男子シングルス】
日本勢で唯一勝ち残っていた五十嵐優は、第2シードのイーサン・マウラナ・ムストファ(インドネシア)と対戦。第1ゲームは序盤から先行して14本で先制、幸先よいスタートを切ったが、第2・第3ゲームとも後半に抜け出されて奪われ、逆転負けを喫した。もう一つのカードでは、シットヒコム・タンマシン(タイ)がヤン・O・ヨルゲンセン(デンマーク)をストレートで下している。
【女子シングルス】
日本B代表同士の対戦となった髙橋沙也加―峰歩美は、攻撃力に勝る髙橋が11本、12本で快勝し、決勝へ駒を進めた。もう一人、ノーシードから勝ち上がってきた漆﨑真子は、元世界ランキング8位のポンチップ・プラナパラサラッス(タイ)を相手に、持ち前のねばりを披露。第1ゲームを15本で奪い、第2ゲームは17本で失ったが、最終ゲームは8オールから11連続得点で勝負を決めた。
【男子ダブルス】
こちらもノーシードの橋本博且/佐伯祐行が連日の奮闘を見せた。第2シードのタイペアを相手に、第1ゲームは序盤での最大7点のリードを追い上げられながらも18本で先取。第2ゲームは追う展開となり、一時11-16とされたが盛り返し、19オールからポイントを連取してストレート勝ち。もう1カードは、台湾ペアを破ったインドネシアのチャフヨノ/イスファハニが決勝に進出した。
【女子ダブルス】
日本勢3ペアが勝ち残っており、日本B代表の志田千陽/松山奈未とノーシードから健闘を見せていた久後あすみ/横山めぐみが対戦。第1ゲームは中盤以降競り合いとなり、16オールからリードを奪った志田/松山が先取。第2ゲームも序盤から激しい点の取り合いとなったが、ここでも16オールから抜け出した志田/松山が18本で奪い、勝利した。また、日本B代表・櫻本絢子/髙畑祐紀子は金昭英/金慧貞を18本、22本のストレートで退け、今年に入ってから出場した7大会すべてでの決勝進出を決めた。
なお、決勝の志田/松山―櫻本/髙畑は、先週のシンガポールOP(Super500)決勝と同じ顔合わせ。
【混合ダブルス】
今年からペアを組む権藤公平/栗原文音が、先週のシンガポールOP(Super500)でベスト8に入っているインドネシアペアに勝利。第1ゲームを17本で先制するも、第2ゲームは19‐15から6連続失点を喫してタイに。だが、最終ゲームは序盤からリードを広げて15本に抑え込んだ。第1シードの台湾ペアを破ったインドネシアペアと明日の決勝で対戦する。
◇選手コメント
漆﨑真子(タイ選手に2-1で勝利)
どんな相手も、技術は私より上なので(笑)、最後まであきらめずにねばってねばって、我慢で上回るしかありません。シーソー(ゲーム)でいっていれば、勝機が見えてくることもあるので……。去年の8月に右肩をケガして、100パーセントで打てるようになったのが3、4月くらい。ただ、その間に下半身が強くなったと周囲からはいわれます。
橋本博且(佐伯祐行とのペアで、タイペアに2-0で勝利)
1回戦の手強い相手(柳延星/タンブンヒョン)に照準を合わせてきたので、そこを突破した以上は思いきってプレーするだけだ、と思っています。4月の大阪国際のころよりは、コンビが確立してきましたね。相手によって、あるいは試合中に流れが悪いときでも、対応する引き出しが増えてきたと感じます。ただ、どの試合も先行逃げ切りで飛ばしてきたので、そろそろエネルギーが在庫切れかな(笑)。ストレートで勝ててよかったです。
松山奈未(志田千陽とのペアで、久後/横山に2-0で勝利)
相手は我慢強く、自分たちとスタイルが違うのでイヤな場面がありました。3月末に股関節を痛めて、ランサーまで出られなかったんです。ただその間、スタッフから「あせっても意味ないから」といわれ、トレーニングしてきた成果が少しは出ているかな。ケガする前より、体が強くなっています。
髙畑祐紀子(櫻本絢子とのペアで、韓国ペアに2-0で勝利)
低い展開に持っていくと相手のタッチが速いので、なるべく大きな展開を心がけました。2ゲームの後半は受け身になって、ミスから追いつかれたのは反省ですが、もう1回立て直すことができました。明日は2週連続で同じ相手との決勝ですが、相手どうこうより、まずは自分たちのパフォーマンスを発揮することです。
栗原文音(権藤公平とのペアで、インドネシアペアに2-1で勝利)
相手はノーロブがうまく、やりづらい意識があって立ち上がりは緊張したんですが、私が落ち着いてからは、二人でうまく組み立てることもできるようになりました。大きな展開から前に入り、(権藤が)打ちやすい球を作ることが少しずつできています。
五十嵐優(インドネシア選手に1-2で敗戦)
1ゲーム目にしっかりとスピードを上げてすんなり取れたのはよかったんですが、相手は強いので、自分がしっかり動かないと……と意識しすぎ、2ゲーム途中から速いタッチに追いつけなくなりました。速いタッチに我慢して、ラリーに持ち込むように工夫したほうがよかったかもしれません。
取材/楊順行
構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳