7月8日に開催されたBWFワールドツアー・インドネシアOP(ジャカルタ・Super1000)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。
日本勢は男子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルスの3種目で決勝に進出。日本選手で先陣を切ってコートに立ったのは、第2試合に組まれた女子ダブルスだ。ワールドツアーLevel2〜6(※1)の中では最上位となるSuper1000のセンターコートに、福島由紀/廣田彩花、松本麻佑/永原和可那の2組が登場し、優勝を争った。
第1ゲームで先行したのは福島/廣田。6−2、12−8、17−12とリードを保ちながら試合を進め、21−14で先制する。第2ゲームでは、初優勝に挑む松本/永原が8連続ポイントなどでリードし、福島/廣田の反撃を振り切ってファイナル勝負に持ち込む。そして最終ゲーム、序盤で点差を広げたのは福島/廣田。15-8で引き離すと、そのまま押し切り21-14で勝利。福島/廣田が、昨年4月のマレーシアOP(旧SSP)以来の優勝を飾った。敗れた松本/永原も、Super500以上の大会では初の準優勝という好成績をつかんでいる。
女子ダブルスの直後に行なわれた男子シングルス決勝には、3年前のインドネシアOPで優勝を経験している桃田賢斗が登場。準決勝では前週のマレーシアOP(Super750)決勝を争ったリー・チョンウェイ(マレーシア)にリベンジし、2大会連続で決勝に進出していた。相手は同年代のライバルでもある、世界王者のビクター・アクセルセン(デンマーク)。
第1ゲームは、桃田が序盤からリードをつかんだ。6連続ポイントで引き離すと、追走するアクセルセンを振り切って21-14で先制。続く第2ゲームも前半から抜け出した桃田が、再び6連続ポイントを奪取。15-6と大量リードをつかみ、そのまま逃げ切りV達成(21-9)。ワールドツアーSuper500以上の大会では、2016年4月のインドOP(旧SS)以来となる5度目の優勝(※2)を飾り、7月30日から開幕する世界選手権(中国・南京)に向けても弾みをつけた。
最終試合に組まれた男子ダブルス決勝は、昨年のジャパンOP以来の決勝進出となる井上拓斗/金子祐樹と、地元インドネシアのスター・ギデオン/スカムルヨが対戦した。序盤からポイントをつかんだのはギデオン/スカムルヨだった。10-5、14-7と点差を広げ、第1ゲームを奪う。第2ゲームは井上/金子が7-3とリードする場面も作ったが、ここから点差をつめられて10-14と逆転を許す。すると、最後はインドネシアペアが井上/金子を振り切って勝負あり。ギデオン/スカムルヨは地元優勝を飾り、井上/金子は準優勝に終わった。
このほか、女子シングルスは戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)が中国の陳雨菲(チェン・ユーフェイ)をファイナル勝負の末に破り優勝。混合ダブルスは地元インドネシアで人気を誇るアーマド/ナトシールが、リオ五輪の決勝で対戦したチャンPS/ゴーLY(マレーシア)を2−0のストレートで下し、地元Vを飾っている。
決勝戦の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
桃田賢斗②〔21−14、21−9〕0●ビクター・アクセルセン(デンマーク)37分
【女子シングルス】
戴資穎(台湾)②〔21−23、21−15、21−9〕1●陳雨菲(中国)53分
【男子ダブルス】
ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)②〔21−13、21−16〕0●井上拓斗/金子祐樹31分
【女子ダブルス】
福島由紀/廣田彩花②〔21−14、16−21、21−14〕1●松本麻佑/永原和可那56分
【混合ダブルス】
アーマド/ナトシール(インドネシア)②〔21−17、21−8〕0●チャンPS/ゴーLY(マレーシア)38分
※BWFワールドツアー(WT)の格付け は、Level1〜6までのカテゴリーに分けられている。賞金総額、WRポイントが最も高い大会は、1年間で獲得したWTポイント(アジア選手権、世界選手権、インターナショナルチャレンジ[IC]などのポイントは反映されない)の上位8名/組で争われるLevel1のワールドツアーファイナル(12月)。
年間を通して開催されているツアー大会のなかで格付けが高い大会は、Level2・Super1000の全英OP(3月)、インドネシアOP(7月)、中国OP(9月)の3大会。続いてLevel3・Super750のマレーシアOP(7月)、ジャパンOP(9月)、デンマークOP、フランスOP(10月)、中国OP(11月)の5大会となる。Super1000・750は旧スーパーシリーズ(SS)制度でいうとSSプレミアと同格となり、Level4・Super500がSSと同じ格付けになる。
Level5・Super300がGPG、Level6・Super100がGP。ICやインターナショナルシリーズ、フューチャーシリーズはそれより下の格付け。
※2 桃田賢斗のSuper500(旧SS)以上の優勝は、2015年シンガポールOP、インドネシアOP、SSファイナル、2016年インドOP
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO