全日本実業団選手権(山口・キリンビバレッジ周南総合スポーツセンターほか)は17日、大会最終日を迎えて男女の決勝戦が行なわれた。ここでは男子決勝のダイジェストをお送りする。
【決勝】
国内団体戦において、頂点を競い合うライバル対決となった日本ユニシスとトナミ運輸による男子決勝。試合は、団体戦の流れをつかむ意味でも大事な第1ダブルスから白熱した。日本ユニシスの第1ダブルスは遠藤大由/渡辺勇大。対するトナミ運輸は、園田啓悟/嘉村健士を起用して、エースダブルス対決が実現した。この大一番でチームに流れを引き寄せたのは園田/嘉村だった。園田/嘉村は第1ゲームでゲームポイントを握ってから追いつかれるが、激しいシーソーゲームの末に28-26で先制する。すると、第2ゲームこそ遠藤/渡辺に奪われたものの、ファイナルを15本で制してチームに白星をもたらした。
こうなると西本拳太、常山幹太、武下利一とシングルス3本をすべて日本A代表で揃えるトナミ運輸が有利になる。日本ユニシスは第2ダブルスの井上拓斗/金子祐樹が、保木卓朗/下農走をストレートで下して1−1としたが、反撃できたのはここまで。トナミ運輸は日本A代表対決となった第1単で、西本が坂井一将からファイナル14本で競り勝つと、続く第2単の常山は五十嵐優に対して14本、16本のストレート勝ち。トナミ運輸のベンチからは選手が飛び出し、2年ぶりの頂点にチームは歓喜に沸いた。
トナミ運輸 荒木純監督
「決勝戦は、気持ちとしてはダブルスを1−1にしてほしいなと。でも、もしダメだったとしてもシングルス3つがある、という気持ちでした。去年は負けている最強のライバルにしっかり勝つことができたので、そういう意味では選手たちのたくましさを感じる勝利でした。全員が一丸となって、しっかり戦ってくれた大会だったと思います」
▼決勝
トナミ運輸 3―1 日本ユニシス
園田啓悟/嘉村健士②〔28-26、15-21、21-15〕1●遠藤大由/渡辺勇大
保木卓朗/下農走●0〔18-21、18-21〕②金子祐樹/井上拓斗
西本拳太②〔14-21、21-15、21-14〕1●坂井一将
常山幹太②〔21-14、21-16〕0●五十嵐優
取材・文/吉井信行
写真/江見洋子