6月13日に開幕した全日本実業団選手権(山口・キリンビバレッジ周南総合スポーツセンターほか)は、16日に男女決勝トーナメントの準々決勝、準決勝が行なわれた。ここでは、女子のレポートをお届けする。
【準々決勝】
日立化成と対戦した昨年の覇者・日本ユニシスは、第1ダブルスの東野有紗/中西貴映が本田恵利奈/清水望に対し、2−0のストレートで敗れる苦しい立ち上がり。それでも、自力に勝るユニシスは第2ダブルスの松友美佐紀/星千智、第1シングルスの海老原詩織、第2シングルスの髙橋沙也加で3連勝して準決勝へとコマを進めた。
波乱が起きたのは北都銀行と山陰合同銀行の試合だ。優勝候補の北都銀行は、エースの米元小春/田中志穂が第1ダブルスで久後あすみ/横山めぐみに黒星を喫すると、1−1で迎えた第1シングルスではエースの川上紗恵奈も敗戦。相手の単複エースを封じた山陰合同銀行は、第2シングルスで敗れたものの、第3シングルスの小林美紀が松本麻佑に22本、20本で競り勝ち準決勝進出を決めた。
そのほかでは、岐阜トリッキーパンダースに快勝した再春館製薬所と、NTT東日本に3―2で競り勝ったヨネックスがベスト4入りを果たした。
【準決勝】
最初に決勝進出を決めたのはヨネックスだった。ヨネックスは福万尚子/與猶くるみと佐藤冴香という単複エースを海外遠征で欠きながらの戦いだったが、若手を中心としたメンバーが躍動。第1シングルスの櫻本絢子/髙畑祐紀子が山陰合同銀行の久後/横山にファイナル10本で勝利すると、続く保原彩夏/曽根夏姫と髙橋明日香がストレート勝ち。勢いのある山陰合同銀行を3−0で退けた。
一方で、大接戦となったのが日本ユニシスと再春館製薬所の一戦。試合は第1シングルスを終えて再春館製薬所が2−1とリード。ここで迎えたのが奥原希望(日本ユニシス)と山口茜(再春館製薬所)による世界上位ランカー同士の対戦だ。この大一番で主導権を握ったのは奥原だった。奥原は精度の高いショットと巧みな配球で山口に対して第1ゲームを15本で奪うと、第2ゲームは終盤に山口に追い上げられながらも20オールから抜け出して勝利。結局、ユニシスは第3シングルスの髙橋沙也加が勝って決勝進出を決めた。
日本ユニシスとヨネックスによる決勝戦は、17日の午前9時30分からの開始が予定されている。
日本ユニシス 小宮山元監督
「再春館製薬所との試合で1−2となったときは、どちらに転んでもおかしくないと思っていました。決勝で対戦するヨネックスは若手主体で勢いがある分だけ怖さがありますね。ただ、うちはタカマツ、奥原、髙橋沙也加とユーバー杯のメンバーが4人いるので、なんとか優勝したいと思います」
準々決勝、準決勝の結果は以下の通り。
▼準々決勝
日本ユニシス 3―1 日立化成
再春館製薬所 3―0 岐阜トリッキーパンダース
ヨネックス 3―2 NTT東日本
山陰合同銀行 3―2 北都銀行
▼準決勝
日本ユニシス 3―2 再春館製薬所
髙橋礼華/東野有紗●1(14-21、21-9、14-21)②志田千陽/松山奈未
栗原文音/篠谷菜留②(21-16、14-21、21-14)1●藤井瑞希/小野菜保
海老原詩織●0(16-21、18-21)②仲井由希乃
奥原希望②(21-15、22-20)0 ●山口茜
髙橋沙也加②(21-14、21-14)0 ●峰歩美
ヨネックス 3―0 山陰合同銀行
櫻本絢子/髙畑祐紀子②(21-19、19-21、21-10)1●久後あすみ/横山めぐみ
保原彩夏/曽根夏姫②(21-10、21-14)0●横山恵里香/矢﨑月子
髙橋明日香②(21-16、21-14)0●漆崎真子
取材・文/吉井信行
写真/江見洋子