バドミントンにおいて、ラケットはプレーヤーの「手」と同じ役割を果たすといっていい。そのラケットのなかでも「グリップ」は、選手によってテープの素材や巻き方が異なり、独自性が出やすい部分だ。ここでは、トップ選手のグリップへの「こだわり」に迫る。
【連載】Vol.18 齋藤太一(NTT東日本)
さいとう・たいち◎1993年4月21日生まれ、千葉県出身。市川ジュニアで競技を始め、富岡第一中-富岡高-早稲田大-NTT東日本。主な成績は2005全小複3位、08年全中複3位、11年IH複優勝、12・13・15年インカレ複優勝、17・18年ランキングサーキット複優勝など(インカレから現在までパートナーは古賀)。2018年ナショナルB代表。172㎝66㎏。血液型B。
テープの重なりは均等じゃないと嫌ですね
――グリップのこだわりはありますか?
こだわりはないほうだと思います。しいていえば、細めが好きということくらいです。
――細めが好きな理由は?
握力がないのか、太いとしっかり握れない感覚があるんです。細いほうが握り込みやすいですし、操作もしやすいです。
――テープはウェットタイプ。
一度タオルを使ってみましたが、自分には合わなくて。昔からずっとウェットタイプです。
――グリップの巻き方を教えてください。
まず、元々のグリップを剥がして木の状態にしたら、グリップエンドからアンダーラップを細めに巻いていきます。ただ、最初のエンドの部分は5周くらい巻いて、出来上がったときに膨らみが出るようにします。
――多くの選手がエンド部分を太くしていますよね。
そうですね。単純に握りやすいんですよ。昔は普通の巻き方だったんですけど、高校生のときにインドネシアのコーチにアドバイスをもらってから、ずっとこの巻き方です。
――テープの巻き方は?
だいたいテープの半分が隠れるくらいの幅で巻いていきます。この重なりは均等じゃないと嫌ですね。とくに試合前に巻き替えるときはキレイに巻きたいです。
――巻き終わりもキレイです。
最後は付属品のテープを使わず、裏面のテープで留めます。性格的に几帳面というのもありますし、楽だからという理由もあります(笑)。
――色のこだわりはありますか?
ラケットに合うからという理由で、大学生くらいからずっと白のテープを使っています。でも、高校生のときは黄色やオレンジでした。ラッキーカラーといわれて、信じていたんです(笑)。たしか、高3のインターハイのダブルスで優勝したときは黄色でした。
――最後に、巻き替え頻度を教えてください。
だいたい3、4日くらいです。自分の手にマメが多いからなのか、ガサガサだからなのか、すぐにボロボロになってしまうんです。なので、頻繁に巻き替えるほうかもしれませんね。
取材/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳