26日から埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で開催された『2018年日本ランキングサーキット大会』。30日(水)は大会5日目、各種目決勝が行なわれた。ここでは、男子シングルス・女子シングルス決勝のダイジェストを紹介しよう。
【男子シングルス】
全日本総合王者で日本A代表の武下利一(トナミ運輸)と、大学生で唯一勝ち残っている小本翔太(日本体育大)の対戦は、ベテラン・武下に軍配が上がった。
驚異的な身体能力でS/Jリーガーを倒してきた小本は、決勝の舞台でもその力を発揮。右太モモにがっちり巻かれたテーピングは痛々しいが、躍動感あふれるフォームからジャンプスマッシュを打ち込み、ギリギリのシャトルに何度も飛びついた。対する武下は、落ち着いたラリーで試合をコントロールしてきたが、この日は積極的にスマッシュを放つ。連続スマッシュなどでリードを広げた第1ゲーム、20−12で迎えたゲームポイントは、フォアからのストレートスマッシュを決めた。
第2ゲームは武下にミスが重なり、小本が8−2とリード。しかし、武下は強気と冷静さを保って8−8と追いつく。長いラリーも正確なストロークでしっかり奪い、最後はラウンドからのクロスカットを決めて21−15。2回戦から3日連続ファイナルゲームで疲れがたまっていたというが、決勝はきっちり2−0で勝利。2011年以来3回目の優勝を果たした。
◆試合結果
武下利一(トナミ運輸)②〔21-12、21-15〕0●小本翔太(日本体育大)
【女子シングルス】
女子シングルス決勝は、日本B代表の三谷美菜津と、元代表の橋本由衣による「NTT東日本対決」。今大会、パフォーマンスのよさが際立つ三谷が安定したプレーを披露し、2−0で勝利した。
同チーム対決ということでコーチ席は無人。互いに手の内を知る者同士、孤独な戦いがスタートした。第1ゲームの折り返しは、11−8で三谷。ここから徐々に差を広げ、第1ゲームを21−16で奪った。第2ゲームに入っても、三谷の勢いは衰えず。深いクリアーでコート奥へと押し込み、長いラリーを確実に奪っていく。橋本も鋭いスマッシュを打ち込み、大きな声で気持ちを前面に出して応戦。自分の戦いを貫いたが、最後はクリアーがバックアウト。B代表の三谷が実力を発揮し、2011年以来2回目の優勝を果たした。
◆試合結果
三谷美菜津(NTT東日本)②〔21-16、21-14〕0●橋本由衣(NTT東日本)
取材・文/平田美穂、バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人