5月28日(月)、「トマス杯・ユーバー杯2018」(タイ・バンコク)で活躍した日本代表の帰国会見が成田空港で行なわれた。ここでは、会見後に行なわれた囲み取材から、日本が準優勝を果たしたトマス杯で6戦全勝をあげたエース・桃田賢斗のコメントを紹介しよう。
桃田賢斗(NTT東日本)
――個人的には全勝だったが。
全勝はできたんですけど、団体戦だったので、(準優勝の)悔しい気持ちのほうが強いです。
――準決勝(vsアクセルセン)、決勝(vs諶龍)、とくに第1ゲームは圧倒していた。
自分がしぶとく我慢してラリーしていたら相手がやりづらそうにしていたので、優位に試合を進められたんじゃないかと思います。
――自分のパフォーマンスはどう見ている?
悪くはなかったですけど、本当にきつくて、やっぱりみんなの応援だったり、味の素さんのサポートだったり、そういう差が出たんじゃないかなと思います。
――(準決勝、決勝の第1ゲームは)相手にまったく試合をさせていなかった印象もあるが。
いえ、全然そんな感じじゃなかったです。諶龍との試合も、ファイナルゲームにいっていたらフィジカル的にはたぶん自分が先にバテていたと思いますし、アクセルセンとやったときも1ゲーム目に自分がとられていたら、2ゲーム目も同じような展開になっていたと思います。点数的には離れていましたが、紙一重の試合だったんじゃないかなと。
――アクセルセンとの試合は2年ぶりだった。
ほかの選手と比べて、思い入れというか、ライバルという意識はあります。久しぶりに対戦して、世界ランキング1位、世界選手権チャンピオンとの試合はいつもと違う感覚というか、すごく緊張したんですけど、お互い高め合いながら試合ができたと思います。
――(4月末に優勝した)アジア選手権のときのパフォーマンスと比べると?
さっきもいったように、応援の力というか、チームワークが本当にすごくよかったので、そこは自分にプラスに働いてくれたんじゃないかと思います。自分自身、団体戦がすごく好きなので、楽しみながらプレーできました。
――第1シングルスとしての責任は違った?
やっぱり日本の第1シングルスという大事なところを任されるという責任はすごく感じていましたし、簡単には負けられないと思っていたので、しっかり結果を出せてよかったと思います。
――第1シングルスで出られたのはよかった?
それはあまり…。同年代の西本(拳太)がいるので、自分が1で出ても、2で出ても勝たなければいけないという立場に変わりはなかったので、そこはあまり意識していなかったです。
――4年前に優勝を経験しているが、今回はチームとして何が足りなかった?
今回は相手のパフォーマンスもすごくよかったので、相手の力をしっかり出させてしまったところがあると思います。勝つときは、自分の力を出すこともそうですけど、相手にしっかりプレーをさせないことも大切なので。中国のプレッシャーに対して、そこまで踏み切れなかったというのがちょっと敗因かなと思います。
――チームの雰囲気がすごくよいのが伝わってきた。
応援もそうですし、コートを離れたところでも楽しく生活できたので、チームワークは世界一だったんじゃないかなと思います。
――今回の経験をどう生かしていきたい?
今回は勝てたんですけど、次はもっと研究されて厳しい戦いになる。自信にはなりましたけど、また気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/川口洋邦