世界ナンバー1の国・地域を決める『トマス杯・ユーバー杯2018』が、5月20日にタイ・バンコクで開幕した。男女ともに世界一をめざす日本代表は、ト杯予選リーグ・グループCの日本男子が登場。台湾、香港とアジアの強豪と同じグループに入った日本男子は、初戦で香港と激突した。
第1シングルスは「この舞台に立てることが幸せ」と、4年ぶりのト杯出場となった桃田賢斗。世界ランク10位の伍家朗(ン・カロン)に対し、第1ゲームはシャトルコントロールに悩まされ15-21。しかし、第2、3ゲームはしっかり修正した桃田は「(後半は)足がしっかり動いた」と本来の動きを取り戻し、ファイナルゲーム21-15で制した。
第1ダブルスには園田啓悟/嘉村健士が登場。ペアを組み替えてきた相手に対し第1ゲームを先制すると、第2ゲームも得意のドライブ戦からポイントを重ねて勝利をもぎとる。勝てば日本の勝利が決まる第2シングルスは、世界ランクでも10位台に浮上している西本拳太。パワーのある相手に対して、持ち味のねばり強いラリーで主導権を握ると、第1ゲーム21-18で先制。続く第2ゲームは序盤で9−4と引き離し、追走する相手を振り切って21-11で勝利を飾った。西本の勝利により、日本のリーグ戦初勝利が確定した。
第2ダブルスの井上拓斗/金子祐樹は、この流れをしっかり引き継ぎ2−0で勝利を手にしたが、第3シングルスの坂井一将は香港の若手選手に0−2で敗戦。5−0の完勝とはいかなかったが、日本が4−1で勝利をつかみ白星スタートを切った。
日本の結果は以下の通り。
◆トマス杯/予選リーグ・グループC
日本(1勝) 4−1 香港(1敗)
MS1桃田賢斗②〔15−21、21−16、21−15〕1●伍家朗69分
MD1園田啓悟/嘉村健士②〔21−15、21−13〕0●李晉熙/柯展聰31分
MS2西本拳太②〔21−18、21−11〕0●黃永棋42分
MD2井上拓斗/金子祐樹②〔21−12、21−15〕0●鄧俊文/麦喜俊28分
MS3坂井一将●0〔15−21、13−21〕②李卓耀33分
トマス杯:バドミントン世界一の国・地域を決める団体戦として最も権威ある大会。ト杯は1939年に国際バドミントン連盟(現世界バドミントン連盟)会長のジョージ・トーマス卿(全英OP21回優勝)が、大会の開催を進め、優勝トロフィーを寄贈。大会名にその名がつけられた。1941年に初開催を予定していたが、第2次世界大戦のために延期。1948-49年に念願の第一回トマス杯が開催された。84年に男女同時に開催、86年から2年に一度の開催(それまでは3年に一度)となった。
試合形式:2ダブルス(複)、3シングルス(単)で、世界ランキングの高い順に試合が行なわれる。試合の種目順はオーダーによって変わる(種目順の例:第1単→第1複→第2単→第2複→第3単)。予選リーグは5試合すべてを行ない、決勝トーナメント・準々決勝以降は先に3試合を制した国・地域が勝利。単複兼ねて出場することができる。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳