5月9日(水)、女子ダブルス日本代表・福島由紀/廣田彩花が所属する岐阜トリッキーパンダースが、福島/廣田両選手の移籍に関するコメント(説明文)を発表した。
2人の連名で出されたコメントには、「今回の移籍の理由について『もっと成長して次のチャレンジをするため』とご説明しました。もっとはっきり言うと、(今井)彰宏さん(元再春館製薬所監督)と東京オリンピックをめざすためです。私たちは、社会人になって日本代表に入るまでの約5年間、彰宏さんとともに歩んできました。彰宏さんには一生懸命育ててもらいました。東京オリンピックは初めは遥か彼方でしたが、彰宏さんが励まし続けてくれました。この約5年間の土台の上に今の私たちがあります」とし、さらなる好成績をめざすには、今井氏のサポートが必要であることを強調した。
また、今回の移籍が再春館製薬所を退社した今井氏による“引き抜き”ではないか、という一部報道に対して、「3月初め(今井氏は2月に退社)、私たちは彰宏さんに会って自分たちを引き受けてくれるよう頼みました。『引き抜き』ではなくて『押しかけ』です」と否定。さらに、「彰宏さんは去年の終わりに再春館退社を決めて、ある大学の監督になると一度は決まっていた」が、2人は指導の継続を懇願。その後に今井氏が岐阜トリパンに移籍し、後を追う形で同チームに移った経緯についても説明している。
後半部分では「今回のことで、みなさまから応援のお言葉、ご心配のお言葉、ご批判のお言葉もいただいています。でも、私たちにはこの道しかない。後悔したくない。そう思って前に進みました」とコメントし、5月20日に開幕するユーバー杯(タイ・バンコク)では、「日本の優勝に貢献できるようがんばります。日本チームへの応援をよろしくお願いいたします」と結んでいる。
◆福島/廣田の移籍に関する流れ
3月末
2人が退職届を提出。一旦は受理されたが、家族の申し出があったことから4月30日まで保留。
4月24日(火)
再春館製薬所が福島/廣田が退社する予定であることを発表(本人たちはアジア選手権に参戦中)。同日、岐阜トリッキーパンダースが5月から2人が加入することをSNS上で発表。
4月30日(月)
2人がアジア選手権(優勝)から帰国。囲み取材では移籍に関して言及せず。同日、再春館製薬所が2人の退社を発表。
5月4・5日(金・土)
日韓交流戦に出場。ここでの囲み取材でも移籍に関しては語らず。
5月9日(水)
岐阜トリッキーパンダースを通して、移籍に関する説明文が発表される(本人たちは日本代表合宿に参加中)。
文/バドミントン・マガジン編集部