1月14日にバドミントンの最高峰リーグ『S/Jリーグ2017』第6日が、宮城県仙台市、埼玉県戸田市、神奈川県横浜市で開催された。ここでは戸田大会の男女結果をお伝えしよう。
【女子】
開幕から3連勝の日本ユニシスと、1勝1敗のNTT東日本の対戦。日本ユニシスは海外遠征を控えた日本代表メンバーを起用するか、注目が集まった。
第1ダブルス、日本ユニシスは髙橋礼華/松友美佐紀を起用し、確実に白星をつかみにいく。NTT東日本は若手の尾﨑沙織/川島里羅が挑んだ。ともに埼玉出身の尾﨑/川島は髙橋/松友に一歩も引かず、序盤から積極的なプレーを展開。13-10とリードするが、ここからサイドアウトなどのミスが増え、徐々にペースは髙橋/松友へ。
日本ユニシスの小宮山元監督は試合後、「集中力不足でパッとしなかった」と苦笑いしたが、第1ゲームはタカマツが21-16で先取。第2ゲームに入ると、髙橋がスマッシュ、松友が前で叩くという形が次々と決まり、終わってみれば21-15。第1ダブルスとしての期待にしっかり応えた。
シングルスは、日本ユニシスのサウスポー・髙橋沙也加と、NTT東日本・三谷美菜津が対戦。試合開始から気合十分の髙橋は、長身からクロスカットを次々と決めてガッツポーズ。三谷はねばるものの、なかなか流れをつかめず、第1ゲームは21-17で髙橋が奪った。第2ゲームも髙橋がノータッチエースを決めるのに対し、三谷の得点の多くは髙橋のミスによるもの。ミスした次のラリーはエースで取り返す髙橋が主導権を握り、21-16で勝利。日本ユニシスの勝利を決めた。
第2ダブルスは、日本ユニシスが東野有紗/中西貴映。対するNTT東日本は、橋本由衣/渡邉あかね。序盤から橋本/渡邉をスピードとパワーで押し込み、逃げる球をネット前で次々とたたく東野/中西。橋本/渡邉はサウスポーの中西を左右に振り、バック奥に押し込む形を作って猛追する。20-20となったが、最後は渡邉のサービスリターンがネットにかかり、第1ゲームは22-20で東野/中西が奪った。第2ゲームは中盤から、東野/中西の前へ前へと詰める形が機能。終盤は長身の中西の角度あるショットが次々と決まり、21-10でゲームオーバー。東野/中西がペアとして3勝目をあげた。
日本ユニシスは、ここまですべて3-0で無傷の4連勝。優勝に向けて力強く前進を続けている。NTT東日本は1勝2敗と負け越し。上位進出には次戦での勝利をつかみたい。
▼試合結果
日本ユニシス(4勝) 3−0 NTT東日本(1勝2敗)
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−16、21-15〕0●尾﨑沙織/川島里羅
髙橋沙也加②〔21−17、21−16〕0●三谷美菜津
東野有紗/中西貴映②〔22−20、21−10〕0●橋本由衣/渡邉あかね
日本ユニシス・小宮山元監督
「埼玉大会はホームゲーム的な要素があり、会社の人がたくさん観戦にきてくれます。その期待に応える役割もあって、海外遠征を控えたメンバーも出しました。悪くて1-2での負けもあるかなと思っていたので、年明け最初の試合で勝てて、いいスタートがきれてよかったです。シングルスと第2ダブルスは、勝負どころでしっかり振りきれたという意味でいい形でした。これから海外遠征組がいない間に、若い選手たちがどれだけ活躍できるか、力を示せるかが優勝につながります。最終戦は全員そろうので、来週、再来週をどう乗りきるか。気持ちで頑張りたいです」
【男子】
昨年12月の福島大会でNTT東日本に敗れ、2勝1敗の日本ユニシス。対するトリッキーパンダースは開幕から3連敗。どちらも勝っておきたい大事な一戦だ。
日本ユニシスは、全日本総合優勝の遠藤大由/渡辺勇大を第1ダブルスに起用。第1ゲームは、17-17までトリッキーパンダースの井谷和弥/リャオ・ミンチュンと競ったが、渡辺が前で決める形が機能し、21-18で先取した。第2ゲームは「勇大、積極的に前に出ていいから」という早川賢一コーチの声に応えた渡辺が次々と前で決め、21-8で快勝した。
シングルスは、日本ユニシス・内定選手の五十嵐優。トリッキーパンダースは、五十嵐にとって中央大の先輩にあたる福田春樹。第1ゲームは、持ち前のねばるラリーに持ち込んだ五十嵐が21-15で先取した。第2ゲームは、積極的に打つ展開に変えた五十嵐に対し、福田はレシーブからチャンスを作って攻め返す。互いに譲らぬ接戦に、日本ユニシスベンチからは埼玉栄高校の後輩・岡村洋輝、渡邉航貴らの「優先輩、一本です!」の声。最後は後輩の前で負けられない五十嵐が、クロススマッシュを決めて雄叫び、ガッツポーズ。21-19で振り切った。
勝利は決まったものの、優勝に向けて1試合、1ゲームも落とせない日本ユニシス。第2ダブルスは世界ランキング10位の井上拓斗/金子祐樹が登場。トリッキーパンダースは高階知也/米田健司が一矢報いるべくコートに立った。
序盤は前の取り合いになったが、レシーブから攻撃へ転じる強さと巧さが光った井上/金子が、第1ゲームを21-14で先取。高階/米田による、左右ペアの弱点を突く球は見事だったが、勝利には至らず。最後まで崩れなかった井上/金子が、21-11で勝利した。
逆転優勝をねらう日本ユニシスは、次戦のJR北海道に弾みをつける勝利。トリッキーパンダースは4連敗と、苦しい戦いが続いている。
▼試合結果
日本ユニシス(2勝1敗)3−0トリッキーパンダース(4敗)
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−18、21−8〕0●井谷和弥/リャオ・ミンチュン
五十嵐優②〔21−15、21−19〕0●福田春樹
井上拓斗/金子祐樹②〔21−14、21−11〕0●高階知也/米田健司
日本ユニシス・坂本修一監督
「相手は補強選手として台湾のリャオ選手がいるチーム。第1ダブルスから競った場面もありましたが、すべて2-0で勝ててよかったです。これから全勝しているチームと対戦して勝つことが優勝へのチャンス。残り3週間で4戦、1ゲーム、1ポイントすら落とせない状況が続きます。日本代表メンバーは海外遠征でいなくなりますが、残った選手が団結してやってくれると期待しています。最後まであきらめず、優勝をめざして戦っていきたいです」
取材・文/平田美穂
写真/川口洋邦