12月3日に開催された第71回全日本総合選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館)最終日は、各種目決勝が行なわれた。ここでは、混合ダブルスの優勝ペアと準優勝ペアのコメントを紹介しよう。
【混合ダブルス】
優勝!
渡辺勇大(右)/東野有紗
(日本ユニシス)
結果:小林優吾/志田千陽(トナミ運輸/再春館製薬所)に21‐23、21‐11、21‐8で逆転勝ちし、初優勝。渡辺は男子ダブルスとの2冠を達成
渡辺「今年の全英OPで3位になってから個人戦でなかなか結果が出ないなか、実業団前に腰を痛めて半年近く練習がままならない状態でした。今大会も出場できるかわからないくらいでしたが、1回戦から決勝まで2人でたくさん声を掛け合い、開き直ってプレーできたのが勝因かなと思います。正直、2種目出ることに不安な気持ちはありましたが、最初から最後まで(自分の力を)出しきろうという気持ちでした。体力的にも精神的にもつらかったですが、パートナーに助けられ、最後は気力でカバーして達成できた2冠だったかなと思います。
総合は最終的にすごく取りたいタイトルだったので、こういう形で取れたのはすごくうれしい。東京五輪でのメダル獲得に向けて、すごく大きな一歩になるのではないかと思います」
東野「勇大くんとミックスで優勝できたということがすごくうれしいです。総合は自分が高3のときに初めて出場しましたが、すごく悔しい思いをして、来年からは『絶対優勝してやる』と思っていました。今回はパートナーのケガがあったことで、お互いに優勝を意識せずに、いまできる自分たちの力をしっかり出していこうと話し合ってできましたが、終わってみて、『やっぱり優勝したかったんだな』と感じます。
決勝は勇大くんが2種目で決勝まで残っていたので、自分が前衛で頑張らなきゃと思っていました。そこで頑張れたのがよかったですし、パートナーが後ろで我慢してくれたことも、自分たちのいいプレーにつながったと思います。勇大くんのおかげでできた優勝だと思いますし、今回の総合はすごく楽しく試合ができました。日本で1位になれたので、世界でもしっかり活躍して優勝できるように頑張りたいと思います!」
準優勝
小林優吾(左)/志田千陽
(トナミ運輸/再春館製薬所)
小林「1ゲームを取っただけに悔しいです。1ゲーム目は相手の東野選手が前衛に入ってこられず、志田が前衛に入る形が作れていました。でも2ゲーム目は、東野選手が強気で前に出てきて対応できなかった。1ゲーム目を取ったときに、このペアとも勝負できるんだと思い楽しかったのですが、夢を見たというか…。男子ダブルスもそうですが、勝ちが見えてからの気持ちの部分が甘いと思います。
強い選手を倒して決勝まで上がれたのは、去年より実力が上がった(証拠)かなと。日本で一番大きな大会で2種目で決勝に上がれたのは、スーパーシリーズでの試合にも生かせると思います」
志田「最初は自分たちの形を作れて1ゲーム目を取れましたが、2、3ゲームは相手が(プレーを)変えてきて対応しきれませんでした。一方的にやられてしまったので悔しいです。1ゲーム目は楽しめましたが、自分がやれることは少ないなと感じました。私は女子ダブルスでは後衛ですが、ミックスをやることで、いつもなら前衛で触れない球を触れるようになったり、試合を重ねるごとによくなっている部分もあったので、女子ダブルスにも生かせるところはあると思います。今大会はペアでの練習ができずぶっつけ本番だったのですが、実力のある相手に勝てたことは自信になりました」
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人