11月30日に開催された第71回全日本総合選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館)3日目は、各種目2回戦が行なわれた。ここでは、男子シングルス・桃田賢斗の試合後のコメントを紹介しよう。
(NTT東日本)
結果:2回戦は古財和輝(龍谷大職員)と対戦。第1ゲームを先制されたが、第2、3ゲームを奪い返して逆転勝ち。ベスト8進出を決めた。
――試合を振り返って。
桃田「昨日の反省点を踏まえて、1ゲーム目から自分らしいプレーをしようと思っていましたが、大事にいこうとしすぎた結果、相手に完全にペースを握られてしまいました。3ゲーム目はやっと自分らしいプレーができたので、今日の3ゲーム目の感覚を、明日は1ゲーム目から出せるようにペースをあげてプレーしたいです」
――会場の環境などについて。
桃田「微妙な風が吹いているので少しコントロールに悩んだけど、しっかり足を動かしてプレーできたのがよかったかなと思います」
――昨日、今日と1ゲーム目の出だしが悪かった。緊張感やプレッシャーが原因か。
桃田「簡単に相手もミスをしないし、リードされると“どうしよう”と気持ちが焦ってしまう。そこで決め急いだり、足が動かずにミスを連発してしまいました。考えと動きがうまく合っていないので、そこの修正をしていきたいです」
――1回戦は会場の声援が力になったと話していた。今日は何か感じることはあったか。
桃田「1ゲーム目は本当に自分が焦ってしまって、まわりを見ることできなかったです。でも、チェンジエンズしたときに、会社の方が応援してくれているのが見えたので、そこで安心したというか、余裕を持ってできたのかなと思います」
――会場には応援してくれている人たち多くいる。
桃田「応援してくれるファンの皆さんには感謝しています。今日も応援をしていただいて第2、3ゲームはいいプレーが出せたと思います。自分のモチベーションというか、気持ちが高まっているので、そういう意味では、楽しみながらプレーできてきたのかなと思います」
――リードされた場面で“どうしよう”と思ったり、“足が動かない”と話していた。これまでの実績からみると意外な感じがする。
桃田「海外の試合で5連勝したり、自分の中でも手応えがあって、このプレーをすれば大丈夫、と思ってコートに入っていました、でも、今日の相手はことごとく返してくるし、想定していない球が何回もあった。そうなると、いままで決まっていたショットが決まらず、自分も動けなくり焦ってしまいました。明日は勝手に決めつけた予想をするのではなく、視野を広げて準備をしていきたいと思います」
――相手選手は第2ゲームの途中でプレーが変わったと話していた。何か変わったきっかけがあったのか
桃田「2ゲーム目の6点目あたりを取ったとき、自分がネット前からロブを打ったショットを古財選手が見逃して、それがインになった。“この強さで打てばギリギリで入る”という感触が少し残ったので、そこから自信を持ってプレーできるようになったのかなと思います」
――古財選手はヘアピンが変わったとも話していた。ロブの感覚がヘアピンのよさにつながったのか
桃田「足を踏み込んでロブを打とうすれば、そのぶん相手の足も止まる。ネット前では足をどれだけ踏み込めるのか(が大事)だと思っています。踏み込んだロブがオンライン上に落ちるようになったので、そこでヘアピンも自信を持って打てるようになったのかなと思います」
――(優勝した)2年前と比べて、気持ちの作り方や感じ方に違いなどはあるか。
桃田「2年前はすごい自信があったので、ピンチのときでも“大丈夫”という部分はあったけど、今回はそういうわけにもいかないです。(気持ちの作り方については)海外の試合は向かっていく試合が多いので、とくに緊張はしなかったのですが、今回は総合の第3シードという立場で、出だしからも優勝をねらっています。そこで“負けたくない”という気持ちが前に出すぎているのかなと思います」
※掲載しているコメントは会見と囲みから抜粋し再構成したもの
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/幡原裕治、バドミントン・マガジン編集部