11月29日に開催された第71回全日本総合選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館)2日目は、各種目1回戦が行なわれた。ここでは各種目をダイジェストで振り返る。
【シングルス】
ここ数年、波乱が起きやすい総合の1回戦。しかし、今年はシード選手らがしっかり白星をつかみ、2回戦へと勝ち進んだ。
男子シングルスは、昨年優勝の西本拳太(トナミ運輸)やA代表の上田拓馬、坂井一将(ともに日本ユニシス)らが2−0のストレートで勝利を飾り、順当に1回戦を突破した。2年ぶりの総合出場を果たした桃田賢斗(上写真/NTT東日本)は、日本大の猪熊心太朗と対戦。第1ゲームを15-21で奪われるまさかの展開となったが、第2ゲーム、第3ゲームは桃田が落ち着いて相手の攻撃をさばいて勝利。「負けたくない気持ちから、プレーが消極的になってしまった」と反省したが、「第3ゲームは明日につながる試合ができた」と、時おり笑顔を見せながら試合を振り返った。
そのほか、インカレ王者の古賀穂(早稲田大)、A代表の五十嵐優(中央大)なども2回戦へ。高校1年生の奈良岡功大(浪岡高)は、ファイナル勝負にもつれた戦いを制して初戦を勝ち抜いた。
女子シングルスは8月の世界選手権金メダルを獲得した奥原希望(上写真/日本ユニシス)が、第1シードとして1回戦に登場した。しかし、試合開始直後に1点を奪ったところで、奥原がキケンを申し入れ初戦敗退。奥原は試合後「(ヒザの状態は)回復しているけど、まだ試合ができる状態ではないのでキケンさせてもらうことにしました」とコメント。昨年に引き続き、2年連続でのキケン負けとなった。
前回Vの佐藤冴香(ヨネックス)、準Vの山口茜(再春館製薬所)はそろって白星をつかんだほか、第4シードの大堀彩(トナミ運輸)、A代表の三谷美菜津(NTT東日本)も初戦突破している。
【ダブルス】
女子ダブルスはスーパーシリーズで活躍する日本代表の髙橋礼華(写真左)/松友美佐紀(日本ユニシス)、米元小春/田中志穂(北都銀行)、福島由紀/廣田彩花(再春館製薬所)らが2−0で快勝したが、福万尚子/與猶くるみ(ヨネックス)はファイナルゲーム24-22の接戦をしのいで辛くも勝利をつかんでいる。
そのほか、全日本社会人優勝の志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)、海外で好成績を残し始めている松本麻佑/永原和可那(北都銀行)、インカレ王者の加藤美幸/柏原みき(筑波大)なども2回戦進出を決めている。
男子ダブルスも日本代表の園田啓悟/嘉村健士(写真左)、保木卓朗/小林優吾(ともにトナミ運輸)、遠藤大由/渡辺勇大、井上拓斗/金子祐樹(ともに日本ユニシス)が順当に勝ち上がったほか、世界ジュニア金メダルを手にした金子真大/久保田友之祐(ふたば未来学園高)も、同校対決を制して2回戦に進んでいる。
混合ダブルスはシード選手は登場しなかったが、1回戦の注目カード、井上拓斗/篠谷菜留(日本ユニシス)と齋藤太一/尾﨑沙織(NTT東日本)は、井上/篠谷がファイナル勝負の接戦をモノにして初戦を突破している。
各種目1回戦の結果は こちら
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人