11月4日に『バドミントンS/Jリーグ2017』が、熊本県の県立総合体育館で開幕。開幕節の初日は男子2試合、女子3試合が行なわれた。ここでは女子のダイジェストをお届けする。
午前の部に行なわれたのは、日本ユニシスvs山陰合同銀行とNTT東日本vs七十七銀行の2試合。まず、日本ユニシスと山陰合同の試合では、覇権奪還をめざす日本ユニシスの第1ダブルス・篠谷菜留(写真右)/星千智が山田真央/横山恵里香を相手に第1ゲーム21-11と圧倒。第2ゲームに入ると山田/横山もねばるが、篠谷/星が18本で勝利を収めた。
そして、シングルスでは日本ユニシスのルーキー・海老原詩織が奮闘。小林美紀との一戦はファイナルゲームまでもつれたものの、最後は海老原が気迫を押し出し21-19で勝利。日本ユニシスは、第2ダブルスの栗原文音/東野有紗も2−0のストレートで勝利し、開幕戦3-0の好スタートをきった。
▼試合結果
日本ユニシス(1勝)3−0山陰合同銀行(1敗)
篠谷菜留/星千智②〔21−11、21−18〕0●山田真央/横山恵里香
海老原詩織②〔21−18、15−21、21−19〕1●小林美紀
栗原文音/東野有紗②〔21−12、21−18〕0●横山めぐみ/久後あすみ
日本ユニシス・小宮山元監督
「今まで以上に盛大な開会式があり、選手たちのモチベーションも上がったと思います。今回は(ケガの)奥原や(海外遠征から帰国直後の)髙橋/松友を出せなかったんですけど、それに代わった選手たちが役割を果たしてくれたと思います。とくに海老原は、試合内容では負けていたかもしれませんが、気持ちだったり、チーム戦というものが大きくプラスに働いてくれたのではないでしょうか。本当にいいスタートだったと思います」
午前の部のもう一試合、NTT東日本vs七十七銀行は、NTT東日本の第1ダブルス・新玉美郷(左)/渡邉あかねが、河崎綾佳/小見山彩を11本、15本に抑える完勝で先制。しかし、今季からトップカテゴリー復帰を果たした七十七銀行も意地を見せる。ルーキー対決となったシングルスで、杉野文保がNTT東日本の大家夏稀に第1ゲームを奪われながらも、第2ゲームは11本、第3ゲームはわずか9本に抑え、勝敗を1−1のイーブンに戻した。
この勢いを白星につなげたい七十七銀行だったが、追いつかれた名門・NTT東日本に焦りはなかった。第2ダブルスに起用された尾﨑沙織/川島里羅は、前半から落ち着いてプレー。牧野美咲/木戸よし美を11本、13本で封じ、NTT東日本の勝利を決めた。
▼試合結果
NTT東日本(1勝)2−1七十七銀行(1敗)
新玉美郷/渡邉あかね②〔21−11、21−15〕0●河崎綾佳/小見山彩
大家夏稀●1〔21−19、11−21、9−21〕②杉野文保
尾﨑沙織/川島里羅②〔21−11、21−13〕0●牧野美咲/木戸よし美
そして、女子リーグ午後の部では、地元・再春館製薬所とヨネックスの好カードが行なわれた。日本代表選手らを擁する両チームの勝負は、2複1単のいずれも大熱戦に。
第1ダブルスでは、世界選手権準優勝の福島由紀(写真右)/廣田彩花と、7月に再春館からヨネックスへと移籍した福万尚子/與猶くるみが対戦。お互いに手の内を知る者同士の戦いは、ファイナルゲームに入っても両者譲らず19オールに。最後は地元の大声援を力に変えた福島/廣田が22-20で競り勝ち、チームに流れを引き寄せた。
熱戦はまだまだ続く。シングルスの山口茜(再春館)と佐藤冴香(ヨネックス)の日本A代表対決も、ファイナル勝負の接戦に。すると、ここでも最後は山口が佐藤を19本に抑えて、再春館が地元での白星を決めた。また、三度ファイナル勝負となった第2ダブルスも、志田千陽/松山奈未がヨネックスの櫻本絢子/髙畑祐紀子に勝利し、再春館がトータル4時間以上にわたる激戦を3−0で締めくくった。
開幕節2日目となる5日は、前季3位の北都銀行がACT SAIKYOと、連勝をねらう再春館が七十七銀行と対戦する。
▼試合結果
再春館製薬所(1勝)3−0ヨネックス(1敗)
福島由紀/廣田彩花②〔21−12、13−21、22−20〕1●福万尚子/與猶くるみ
山口茜②〔20−22、21−16、21−19〕1●佐藤冴香
志田千陽/松山奈未②〔21−16、18−21、21−19〕1●櫻本絢子/髙畑祐紀子
取材・文/吉井信行 写真/江見洋子