S/Jリーグ開幕を翌日に控えた11月3日夜、開幕シリーズとなる熊本大会のレセプションが同市内のホテルで行なわれた。これまで各会場で同様のイベントは行なわれていたが、そのほとんどはリーグの運営委員や都道府県協会関係者、チームのスタッフが参加するものだった。
だが今回、熊本県バドミントン協会による「日本のトップ選手と九州の子どもたちとの触れ合いの場を作りたい」という目的の下、リーグに所属する男女16チームほぼすべての選手(約170名。北都銀行は飛行機の遅延のため欠席)が参加するとともに、開幕シリーズにおけるエスコートキッズとして九州各県から招待されたジュニア選手約180人も出席。大会関係者を含めると、約550人が集う大規模な催しとなった。
その内容は、子どもたちと選手の両者を“主役”として据えたプログラムが中心だった。各チームの選手とジュニア選手が檀上で記念撮影を行ない、その後は選手たちが開幕戦の“前哨戦”と銘打たれたゲームで熊本の名産品などの賞品をめざして奮闘。ゲーム進行中は、子どもたちが(ゲームに参加していない)選手からサインや写真撮影を積極的にリクエストする光景も見られた。しかも、撮影は県協会が用意したインスタントカメラによっても行なわれ、即時にプリントされた写真にサインをもらうこともできた。
そして、選手が退出したあとは各チームのコーチが交代で登壇して、子どもたちとじゃんけん大会を実施。勝者には、メーカーから提供されたラケットが賞品として手渡された。
選手にとっては開幕戦前夜の貴重な時間を費やす形になったが、実際に参加してみて肯定的な声が多くあがっていた。「ファンサービス」については、これまでファンだけでなく選手からも「もっと取り組みたい」として声があがっていただけに、両者にとって意義深いイベントだったといえよう。これまでもコートが浮かび上がるような照明や迫力ある音響など、つねに先を行く演出を行なってきた熊本大会で、また新たな一歩が刻まれた。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部