小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などのフレーズがつく偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校1年)。月に一度の連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第4回は、世界ジュニア選手権(インドネシア・ジョグジャカルタ/10月9日~22日)での戦いを中心に振り返ってもらった。また、読者からの質問やお悩みに答える「Q&A」コーナーでは、「リラックス方法」を教えていただく。
こんにちは!
今月は世界ジュニアについて振り返りたいと思います。僕にとって今回の世界ジュニアは、2度目の挑戦でした。感想としては、とにかく長かった…(笑)。実際に日本を出発したのが今月の6日で、帰国が23日。開催地はインドネシアのジョグジャカルタというところでしたが、ホテル近くの商業施設内に日本食が食べられるお店がたくさんあって食事に困らなかったのはよかったです。
大会は最初に団体戦の試合が実施され、日本は銅メダルを獲得しました。準々決勝ではタイを3-2で破りましたが、準決勝では中国に1-3で敗退。個人的には準々決勝でタイに負けて、すごく悔しかったです。自分のプレーができずに負けてしまったので、次の準決勝では『中国に絶対勝ってやる!』と思い、その試合は点数を離して勝つことができました。チームとしては負けてしまいましたが、また来年頑張りたいなと思っています。
個人戦は、シングルスで銅メダルという結果でした。試合前は、前回のベスト16よりもいい成績を残したいと思っていたのでうれしさもありますが、今回は優勝できるチャンスがあったので、悔しさのほうが大きいです。
よかったところとしては、初戦から気持ちを引き締めて自分のペースでプレーできたことでしょうか。4回戦以降は強い相手ばかりでしたが、初戦から5回戦までストレート勝ち。インド選手との準々決勝は1ゲーム目から相手がスピードを上げてきてついていけませんでしたが、2ゲーム目以降は自分のペースに持ち込んで2-1で勝つことができました。
ですが準決勝は、アジアジュニアで優勝したマレーシア選手に14本、20本で敗戦。この試合は相手どうこうというより、自分からのミスが続いてしまったのが敗因でした。試合が多くて疲れてしまった部分があったと思います。やはりまだ自分にはフィジカルの強さが足りないと感じたので、体力や体づくりをさらに頑張って、来年は絶対に優勝したいです。
今回の世界ジュニアはインドネシアでの開催だったので、やはり応援がすごかったです。インドネシア独特の陽気な感じで、急に歌いだしたり、リズムを取って自分の名前を呼んだりするのでビックリしました(笑)。でも、たくさんの人が自分を応援してくれたのはすごくうれしかった。こういった応援があったからこそ、ここまでの結果を出せた部分もあるので、応援してくださった人たちに感謝しています。
試合以外では、文化交流をしたことが印象に残っています。団体戦と個人戦の間に1日だけ休みがあったので、みんなで世界遺産であるヒンドゥー教遺跡のプランバナン寺院を見たりしました。そこでは、各国の選手がインドネシアの伝統的な衣装を着てステージに立つファッションショーのようなイベントも行なわれ、その代表者に、日本のなかからなぜか自分が選ばれました…(笑)。すごく恥ずかしかったですが、同じステージに立ったインドネシアやインドの子と友だちになれたのはよかったです。
奈良岡功大選手に聞く!
☆なんでもQ&A☆
Q.奈良岡選手のリラックス法を教えてください!(高校1年生・女)
A.本番で緊張したり力んだりしすぎないように、試合前にはルーティンをして、ほどよくリラックスするようにしています。自分の場合、行なうルーティンの数が結構多いのですが、そのなかの一つに音楽を聴くことがあります。ちなみにその音楽は、テンポの速いものではなく、心を落ち着かせるようなゆっくりとしたテンポのもの。音楽を聴くようになってから、安定して力を出せるようになってきたと感じています。人それぞれ合うルーティンは違うと思うので、自分に合うものを探して実行していけば、力みすぎずに、集中して試合に入れるのではないかと思います。
試合後は、ストレッチをすることでしょうか。あとは…とにかく寝ること。海外の大会ではお風呂で湯船に浸かることができないことが多いので、たくさん寝てゆっくり休むことでリラックスできるように心がけています。
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Profile
奈良岡功大◎ならおか・こうだい 2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡小-浪岡中。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V。そのほかにも、全日本総合本戦出場や日本ランキングサーキット単3位など、シニアの舞台でも存在感を放つ日本のホープ。日本B代表。173㎝67㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部