小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などの偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校1年)。月に一度の連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第3回は、グランプリ大会(以下:GP)で初めてベスト4に名を連ねたベトナムOP(ホーチミン・9月4日~10日)での戦いを中心に振り返ってもらった。また、読者からの質問やお悩みに答える「Q&A」コーナーでは、「失敗したときの気持ちの切り替え方」を教えていただく。
こんにちは!
今月は、ベトナムOPと全日本ジュニア(群馬・9月15日~18日)に出場しました。ベトナムOPでは、初めてGPレベルの大会でベスト4に入ることができました!
最初は、ここまで勝ち上がれるとは思っていませんでした。じつは、大会前から体を故障していたんです。でも、ケガをしているからといって負けたくはありませんでした。ほとんどの試合が1時間超えでしたが、全力で打てないなか、いまできる最善のプレーを考えてできたのは今大会の収穫だったと思います。
この結果を残せた一番のポイントは、初戦を突破できたことでしょうか。相手は今年4月の大阪国際で準優勝した台湾選手。2年前のベトナムOPでも対戦しましたが、そのときはボコボコにされました(苦笑)。相手はスマッシュが速いので、最初は打たせないようにラリーをしましたが、自分が疲れてしまって第1ゲームは12本で失いました。なので、第2ゲーム以降は打たせて取る戦い方に変えたんです。そうしたら、長いラリーに相手が疲れてきて、自分はカットなどで崩して決めることができました。
また、3回戦では第1シードの選手と対戦しましたが、2−1で勝てたことも大きかったです。ファイナルゲームは8-12とリードされましたが、そこから逆転勝ち。次の準々決勝は同い年のインド選手にファイナルで勝って、次の準決勝も勝てる試合……だったのですが、最後は勝ち急いで負けてしまいました。
その相手というのは、大阪国際の1回戦で負けた選手で、第1ゲームを21-12で取り、第2ゲームも19-17でリードしたんです。でも、積極的に攻めてくる相手に対して、自分のプレーを変えてしまったのがよくなかった。いつも通りのプレーを貫けていたらと、反省しています。
大会全体を振り返ると、体力がついてきた実感があります。一日何試合も行なう過酷なインターハイを経験したことで、1日1試合なら、どれだけ長い試合になっても大丈夫だと思えた部分もよかったです。今回のベスト4は、自信になりました。
帰国後すぐに全日本ジュニアがありましたが、ダブルス3位、シングルス優勝ができたのは、ベトナムでの経験を生かし、自信を持ってプレーすることができたからだと思います。でも、これで満足せずに、GPよりもっと上のレベルでも優勝できるようになりたい。強い相手に勝つことがすごくうれしいので、もっと勝っていけるように練習を頑張っていきたいです!
☆なんでもQ&A☆
Q.試合中、ミスを引きずらないために、奈良岡選手はどんなことを意識していますか? 失敗したときの気持ちの切り替え方や、どうしたら奈良岡選手のようにミスが少ない選手になれるか教えてください!(中学2年生・女)
A. 自分の場合は、ミスをしても気にしません。どちらかというと、相手を崩してから決めるスタイルなので、相手を崩すなかでやってしまったミスは仕方がないと割り切っています。崩そうとしているなかでのミスなら“次はもう少し中に打とう”、“もう少し強く打とう”など、調整して次につなげることができる。なので、試合中はできるだけポジティブに考えて、試合後に反省するようにしています。
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Profile
奈良岡功大◎ならおか・こうだい 2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡小-浪岡中。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V。そのほかにも、全日本総合本戦出場や日本ランキングサーキット単3位など、シニアの舞台でも存在感を放つ日本のホープ。日本B代表。173㎝67㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部