9月23日に開催されたダイハツ・ヨネックスジャパンオープン(東京体育館・SS)5日目は、各種目で準決勝が行なわれた。男子ダブルスでは、井上拓斗/金子祐樹が長身ペアのイワノフ/ソゾノフ(ロシア)を2-1で破り(12-21、21-18、21-19)、初のスーパーシリーズ決勝進出を果たした。ここでは、試合後に行なわれた会見での二人のコメントを紹介しよう。
――試合を振り返って。
井上「2ゲーム目から相手選手の強打を封じ込めて、自分が積極的に前に入って攻撃の形を長く続けられたことが勝利につながったんじゃないかなと思います」
金子「まだ試合が終わったばかりで興奮しているんですけど、1ゲーム目は自分たちが守りのフォーメーションが多くて取られてしまいましたが、2ゲーム目以降は相手のよさを消しながらうまく攻め続けることができました」
――3ゲーム目の競り合いを取りきれた要因は。
金子「8-2から追いつかれたときは、正直やばいなと感じました。でも、終盤まで競っていけばチャンスはあると思い、実際に競った場面で相手が点数を欲しがっているのをすごく感じたので、そこでしっかり球を沈めて攻撃の形を作ることができました。それに、相手が重なることが多かったので、スペースをしっかり突きながらプレーできたのがよかったのかなと思います」
――基本的な質問になりますが、二人はいつから組んでいるのかということと、最近何がよくなって結果を残せるようになってきたと考えていますか。
井上「中学1年生から組んでいます。よくなった部分は、レシーブと、攻撃のバリエーションが多くなったこと。最近勝ち始めてからは、勝てたことが自信になって、どんなに強い相手でも『いけるんじゃないか』とか思えるようになったことも大きいです。その手応えと自信が、いまの結果につながっているんじゃないでしょうか」
――6月のオーストラリアOPベスト8、7月のUSオープン優勝、8月の世界選手権16強、そして今回の決勝進出。手応えを感じ始めたのは、その辺りからでしょうか。
金子「そうですね。周りから『最近調子いいね』といわれていたんですけど、“調子がいい”というのは悪いときもあるということ。一過性のものだと思われているんだなと、モヤモヤした気持ちはありました。自分のなかでは、積み重ねてきたものが出た結果だと思っています」
――ロシアのペアは、早川(賢一)コーチが現役時代に全英OPの決勝で負けた相手でした。どんなアドバイスがあったのでしょうか。
金子「試合前に冗談っぽく、『俺のリベンジもしてね』といわれました。それは試合の途中で忘れていたんですけど(笑)、アドバイスとしては、相手は二人ともそんなに器用な選手ではないので、技術で勝負すれば勝てる部分はあるといわれていました。なので、1ゲーム目を取られても、技術で勝負して、相手のミスを誘ったり、相手のバランスを崩しながらうまく点数が取れたかなと思います」
井上「自分も早川さんに『リベンジしてね』といわれたことは、試合中忘れていました(笑)。純粋に、あの相手に勝ちたいなと思って試合をしていました」
――決勝に進めることに関しては、率直にどう感じていますか。
井上「準決勝の舞台に立つのも初めてだったので、明日のことはよくわからないんですけど、日本のファンの皆さんの前でプレーできるのはすごくうれしく思っているので、明日もしっかり頑張りたいですし、応援していただけたらうれしいです」
金子「日本でやっていて、たくさんの応援があるからこそ、ファイナルの終盤で勝てたと思います。決勝は今日以上に難しい試合になると思いますが、しっかり対策を立てて勝ちたいです」
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部