9月21日に開催されたダイハツ・ヨネックスジャパンオープン(東京体育館・SS)3日目は、各種目で2回戦が行なわれた。女子シングルスでは、8月の世界選手権を制した奥原希望が決勝で対戦したシンデュ・P.V(インド)と、先週の韓国OP決勝に続いて顔を合わせ、21-18、21-8で勝利。ベスト8にコマを進めている。試合後の両選手のコメントを紹介しよう。
◇奥原希望コメント(一問一答)
――今日の感想を
「きっちりと勝ちきれたのでよかったです。また、皆さんが期待してくださった対戦で、点差はついたんですが、それでも少し流れが変わっていたらどうなっていたかわからない試合でした。最後まで集中しきれたのがよかったと思います」
――観客と一体となってプレーできたように感じたが。
「昨日よりも多くのファンの方が観に来てくださって、たくさんの声援を送ってくださったので、本当にパワーになりました。一緒に戦えて、すごく楽しかったです」
――自分らしいプレーは出せたか。
「昨日よりも少しずつよくなっていますが、でもまだ完ぺきではないので、しっかり今日の修正を明日できたらと思っています」
――「修正」とはどんなところか。
「昨日よりは相手コートの後ろを使えたんですが、まだまだ自分の中で使いきれていないところ、また判断がぼんやりして迷ったところがあって、それが1ゲーム目中盤の連続失点につながりました。終盤、開き直って修正できたんですが、そういった流れの変化が命取りになってしまうので、きっちり早く切り替えられないといけなかったと思います」
――1ゲーム目中盤、リードしてから逆転されて、そのあと立て直したが。
「点差が少し開いたところで(15-11)、1ゲーム目勝ちたいという気持ちになってしまいましたが、追いつかれたときに勝ち負けよりも、『相手は何をしてくる? じゃあ自分はどうしよう』と考えられました。『勝たなきゃ』というプレッシャーではなくて、体の力が1回抜けて、相手との駆け引きが1本ずつできるようになりました」
――相手の強烈なスマッシュをしっかり見て、対応できていた。
「シンデュ選手は私と違って、一発がある。攻撃が鋭い選手なので、そこが一番気を付けなければいけないと思ってコートに入っていました。きっちりと対策できたのが、この点差になったのではないかと思います」
――「対策」とは具体的に。
「(先週の)韓国オープンでは風がある体育館で、自分のコートの前から相手コートの後ろだったり、後ろから後ろのコントロールが難しくて、(返球が)甘くなってやられてしまいました。この会場は風が弱くて、きっちり後ろまで返すことができるので、後ろに返して相手に打たせ、自分のレシーブで相手を走らせて、崩して自分が攻めるというパターンが終始できていたんじゃないかなと思います」
――ライバルといわれるシンデュ選手から勝利。
「ファンの皆さんの前で自分らしいプレーができて、またちょっと前に映像で見ていた試合を生で、ファンの皆さんの前でできたというのはすごくうれしいです。でも、次に戦ったらまたどうなるかわからないですし、次に対戦するときも楽しみな相手です」
――重圧は感じなかったか
「全然感じなかったです。緊張していたんですが、皆さんが期待してくださっているプレッシャーに押しつぶれて自分のプレーができないというのが、一番やってはいけないことだと思っていました。『皆さんが期待している対戦』というのは置いておいて、今日やるべきことをしっかり、はっきり自分に問いかけて、確認できて入ったので、冷静にできたんじゃないかと思います」
――明日以降に向けての意気込みを。
「これからどんどん厳しい戦いが続きます。『優勝までどうですか』と聞かれるんですけど、まだまだ遠いので、しっかり一つずつ、自分がやるべきことをやっていきたいなと思います」
◇シンデュ・P.V.コメント
「ミスが多かったことが敗因です。ベストは尽くしたつもりですが、奥原選手に大きくリードされてしまい、追いかけようとしても、単純なミスが続いてしまいました。自分が安全にプレーしようとして、保守的になってしまったのが理由だと思います。ネット前のミスも多くて、『なんでこんなにミスをするのだろう』と思って、またあせってしまいました。
私自身も奥原選手と対戦することを楽しみにしております。二人の試合は接戦が多いですし、いいライバルだと思います。ただ奥原選手だけが私のライバルというわけではなく、コートに立ったときにネットの向こう側にいる選手はつねにライバル。どの試合も相手としっかり向き合っていかないといけないと思っています」
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部