9月16日に開幕した全日本ジュニア選手権(群馬県・ALSOKぐんまアリーナ・サブアリーナ)は、19日に各種目の準決勝・決勝が行なわれた。ここでは、男子のダイジェストをお伝えしよう。
【ジュニアの部 男子シングルス】
男子シングルスは、第1シードから勝ち上がった奈良岡功大(青森)が大会連覇を成し遂げた。準決勝では、ラリー力のある緑川大輝(埼玉)を相手に苦戦。勝負はファイナルゲームにもつれると、序盤から精度の高いプレーを見せる緑川に対して15-12とリードを許した。しかしここから、奈良岡は勝負強さを発揮。攻め急ぐ相手にミスが出始めると、この隙を見逃さずに果敢に攻めて一挙9連続得点に成功。21-15で最大のピンチを切り抜けた。
すると決勝は、終始冷静にラリーを展開。気迫あふれるプレーで向かってくる中山裕貴(埼玉)の強打を巧みにかわし、絶好調だったヘアピンからチャンスをつくって11本、15本で優勝を決めた。
【ジュニアの部 男子ダブルス】
男子ダブルスは、優勝候補の中山裕貴/緑川大輝(埼玉)が頂点に立った。準決勝を2-0で突破すると、決勝では同校の武井優太/加藤太基(埼玉)と対戦。手の内を知り尽くす相手だったが、「自分たちが攻撃できれば勝てると思っていた」という緑川が果敢に前に出てゲームメーク。上がってきた球を中山がきっちり仕留めるなど、終始攻撃場面を多く作り出した中山/緑川が相手を9本、12本に抑えて初タイトルをつかみ取った。
【ジュニア新人の部】
優勝を飾ったのは、8月の全中で準優勝を果たした武井凜生(福島)。決勝は第1ゲーム、ねばり強さが光る後藤拓人(青森)に対して22-20と苦戦したものの、第2ゲームは持ち味のレシーブ力を存分に発揮。攻撃的なショットもよく決まり、11本に抑えて優勝を決めた。
★優勝コメント
奈良岡功大(青森)
「大会直前のベトナムOPでベスト4に入れたので、今大会も優勝する自信はありました。でも、どちらかというと向かっていく立場だった去年に対して、今年は受け身になってしまった。とくに準決勝は相手に押されてばかりで、引いてばかりいたんですけど、ファイナルゲームのリードされた場面で『向かっていこう』と切り替えられました。そこを乗り越えられたから、決勝は余裕を持って焦らずプレーすることができたのかなと思います」
中山「優勝したいという思いが強かったので、優勝できてよかったです。緒戦(2回戦)から強い相手で緊張もしていて、自分からミスする場面も多かったのですが、それ以降は落ち着いて自分たちのプレーができました。とくに決勝は、攻撃場面を多く作れたことが優勝につながった要因かなと思います」
緑川「決勝は自分が前に入って、二人で攻めていくプレーができました。大会前から監督にも『勝たなきゃいけない』といわれていて、少しプレッシャーがあったし緊張もしたんですけど、そのなかでも全部2-0で勝ちきれたことはよかったなと思います。次は選抜やインターハイでも優勝したいです!」
「全中で2番になって、今大会は追われる立場。そのぶん今回は苦しかったんですけど、しっかりストレート勝ちで優勝できたのはよかったかなと思います。次は10月にアジアユースがあるので、そこでメダルを取れるように頑張っていきたいです」
各種目準決勝・決勝の結果は以下の通り。
【ジュニアの部 男子シングルス】
▼準決勝
奈良岡功大(青森) 2-1 緑川大輝(埼玉)
中山裕貴(埼玉) 2-0 一井亮太(岡山)
▼決勝
奈良岡②〔21-11、21-15〕0●中山
【ジュニアの部 男子ダブルス】
▼準決勝
中山裕貴/緑川大輝(埼玉) 2-0 安井颯杜/鈴木勝也(兵庫)
武井優太/加藤太基(埼玉) 2-1 奈良岡功大/武藤映樹(青森)
▼決勝
中山/緑川②〔21-9、21-12〕0●武井/加藤
【ジュニア新人の部】
▼準決勝
武井凜生(福島)2-0 齋藤 駿(福島)
後藤拓人(青森)2-1 野口翔平(埼玉)
▼決勝
武井②〔22-20、21-11〕0● 後藤
取材・文/バドミントン・マガジン編集部