8月3日に開催された山形インターハイは大会5日目を迎え、男女個人戦シングルス・ダブルスの準決勝と決勝が新庄市体育館で行なわれた。ここでは男子シングルス、ダブルスのダイジェストをお伝えしよう。
【男子ダブルス】
準決勝に駒を進めたのは、金子真大/久保田友之祐と、山田尚輝/筑後恵太のふたば未来2ペア。そして、2年生の中山裕貴/緑川大輝(埼玉栄)と友金利玖斗/河野匠真が最終日のコートに立った。
熱戦の末に決勝進出を決めたのは、ふたば未来の2ペアだ。日本B代表に名を連ねる金子/久保田は、友金/河野を2-0に抑えて危なげなく勝ち上がる。一方の山田/筑後は、中山/緑川を2-1で撃破。勝負のかかったファイナルゲームは気持ちで引かず、強気のプレーで埼玉栄ペアを13本と突き放した。
同校対決となった決勝は、最後まで勝負の行方がわからない手に汗握る接戦となった。第1ゲームを山田/筑後、第2ゲームを金子/久保田が奪い合い、勝負はファイナルゲームに突入。すると、序盤からリードを奪った山田/筑後が20-19と先にマッチポイントを握った。しかしここから、選抜王者の金子/久保田が意地を見せる。高い集中力と果敢なプレーでマッチポイントを3度しのぐと、23-22で逆転。最後は25-23で相手を振りきり、二人は歓喜の雄叫びをあげた。
なお、金子/久保田はこの優勝で団体との2冠を達成している。
【優勝コメント】
金子真大(写真右)
「シングルスでは準決勝で負けてしまい、体的にも精神的にもキツかったです。でも、そんなときに、久保田が声をかけて支えてくれた。負けたらどうしようって本当に苦しかったんですけど、最後まで勝ちたい気持ちを持ち続けて声をかけ合いながらプレーできたことがよかったと思います」
久保田友之祐
「優勝できて本当にうれしいです。決勝では金子をフォローしようと思っていたのですが、力んで空回りしてしまった部分がありました。でも、最後は全力プレーするしかないと思って、二人で1本ずつ取りに行くことができたと思います」
【男子シングルス】
男子シングルスのベスト4に進出したのは、大林拓真(埼玉栄)、金子真大(ふたば未来学園)、奈良岡功大(浪岡)、嶺岸洸(聖ウルスラ学院英智)の4選手。決勝進出をかけた準決勝では、選抜王者の大林が嶺岸を10本、11本と圧倒して勝ち上がる。反対のヤマでは、1年生の奈良岡が金子を相手に驚異的なねばり強さを発揮。最大8点差のついた第1ゲームを逆転すると、デュースとなった展開を29-27で先制。第2ゲームは金子の足が止まったところを見逃さず、わずか9本に抑えて決勝進出を決めた。
この大物ルーキーの勢いを止めたのは、3年生の大林だ。団体戦では奈良岡に敗れ、団体とダブルスでは16強に止まった埼玉栄のエースは、「このままでは帰れない」とシングルスで奮起。決勝は、ラリーから崩して攻める大林らしいプレーで第1ゲームを15本で奪うと、第2ゲームも我慢強さを発揮。後半は疲れが見える奈良岡を7連続得点で突き放して一気に優勝を決めた。
【優勝コメント】
大林拓真
「団体では足をつって負けて、ダブルスも16強。とても悔しかったのですが、まわりの方々に『切り替えてシングルス頑張れ』といっていただき、気持ちを切り替えることができました。決勝はラリーして崩して攻める自分らしいプレーを最後まで続けられたことがよかったとがよかったと思います」
【男子個人戦の結果】
◆男子ダブルス
▼準決勝
金子真大/久保田友之祐(ふたば未来学園) 2-0 友金利玖斗/河野匠真(神戸村野工)
山田尚輝/筑後恵太(ふたば未来学園) 2−1 中山裕貴/緑川大輝(埼玉栄)
▼決勝
金子真大/久保田友之祐 2−1 山田尚輝/筑後恵太
◆男子シングルス
▼準決勝
大林拓真(埼玉栄) 2-0 嶺岸洸(聖ウルスラ学院英智)
奈良岡功大(浪岡) 2-0 金子真大(ふたば未来学園)
▼決勝
大林拓真 2-0 奈良岡功大
取材・文/バドミントン・マガジン編集部