3月12日に日本バドミントン協会の理事会が開かれ、違法賭博を行なったとして、無期限の競技会出場停止となっていた桃田賢斗(NTT東日本)の処分が、5月15日(月)付で解除されることが承認された。
取材に応じた銭谷欽治・日本協会専務理事は「今回の件をいい教訓にして、バドミントンファンの皆さん、国民の皆さんからも支持を受け、活躍することで100%以上の信頼を勝ち得てほしい」とコメント。処分が解除される前には、桃田本人と面談を行なうこともあわせて発表された。
これを受けて同日、桃田賢斗も須賀隆弘監督とともに、千葉県市川市内のNTT東日本バドミント部練習場で取材に応じた。冒頭に今回の騒動についてあらためて謝罪を行なったあとメディアの質問に対応した(以下、抜粋)。
――処分の解除が決まった気持ち。
「まだ決まったばかりでなんともいえませんが、引き続き、皆様からの信頼回復できるように精一杯頑張りたいと思います」
――謹慎期間を振り返って。
「バドミントンができることが少し当たり前というか、自分に甘い気持ちができてしまっていました。もう一度、感謝の気持ちであったり、支えてくださっている方のことを確認できたので、自分にとって必要な時間だったんじゃないかと思います」
――謹慎期間中は具体的にどのようなことをしていたのか。
「まず、信頼回復に向けてバドミントン教室に参加させていただき、業務の中では資料作りのサポートであったり、会議の準備や事前周知などさせていただきました」
――バドミントン教室に参加して得られたものは。
「やはり応援してくださっている皆様を裏切ってしまったので、一番最初に思ったのが、信頼回復したいということ。子どもたちの笑顔に触れ合えたことは自分にとって大きいことだったと思います」
――謹慎期間を経て自分の中で、どこが一番変わったか。
「バドミントンができることの感謝の気持ちであったり、一社会人としての節度ある行動だったり、そういったことを学んでいる途中です。バドミントンプレーヤーとしてだけでなく、人としても成長していきたいという気持ちがいまは強いです」
――実戦から離れて、いまの競技の状況をどうとらえているか。
「正直なところ、1年間試合をしていないという不安はありますけど、いま支えてくださっている方や応援してくださっている方のためにも、自分に負けないで頑張っていきたいと思っています」
――3年後の東京オリンピックに向けてはどう考えているか。
「やはりまだ、自分のことを応援してくださっている方や、支えてくださっている方のために、恩返しという意味も込めて、感謝の気持ちを忘れず頑張っていきたいと思います」
――あらためて、ファンに一言。
「やはり、裏切ってしまったことをお詫び申し上げたいですし、今後はプレーヤーとして、プレーや態度で見本になれるように頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いしますと伝えたいです」
今回の処分解除により、桃田は最短で5月27日から31日まで行なわれる日本ランキングサーキット(さいたま市)の出場が可能になった(出場するかどうかについてのコメントはなかった)。また、1年間の競技会出場停止の処分を受けている古賀輝は、4月9日に解除される。
(取材・構成/バドミントン・マガジン編集部)
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