バドミントンにおいて、ラケットはプレーヤーの「手」と同じ役割を果たすといっていい。そのラケットのなかでも「グリップ」は、選手によってテープの素材や巻き方が異なり、独自性が出やすい部分だ。ここでは、トップ選手のグリップへの「こだわり」に迫る。
【連載】Vol.10 松友美佐紀(日本ユニシス)
まつとも・みさき◎1992年2月8日生まれ、徳島県出身。藍住エンジェルで競技を始め、徳島中、聖ウルスラ学院英智高を経て、2010年に日本ユニシス入社。ジュニア時代からシングルスのタイトルを立て続けに獲得、高1で髙橋礼華とペアを結成して以降、ダブルスでもトップレベルに。2014年SSファイナル優勝、16年リオ五輪優勝。159.5 ㎝、右利き、O型。
その日に“しっくりくる”ものをチョイス
――グリップに対する“こだわり”はありますか?
私は、こだわりはないほうだと思います。ラケットの種類は同じですけど、1本1本、グリップの太さとかがちょっとずつ違うんです。わざと変えているわけではなくて、気がついたらいろんなのがあるという感じで……。しっくりくるグリップはその日によって違って、6本ぐらいから選んで使っています。
――どのグリップのラケットを選ぶか、使う日に決めるんですか?
そうです。前日に握りやすくて振りやすいと感じたものを使い続けることもあれば、もう少し細いほうがいいとか、太いほうがいいとか…、何でしょうね(笑)。よくわからないんですけど、自分の中では、明らかにちょっと違うという感覚があります。
――試合で使うラケットは、どう選ぶんですか? 何本か握ってみて、「よし、今日はこれ!」とか?
いえ、一本一本、そこまで極端に違うわけでもないので……。1試合目と2試合目で違っても、それはそれだし、「こうでなきゃダメ!」というのは、あまりないです(笑)。
――巻き方そのものに、こだわりはありますか?
もともと巻かれていたグリップをはがして(木の状態にして)、アンダーラップを巻くというのは、ほかの人がやっているのと同じだと思います。アンダーラップを巻く太さが違うぐらいで、強いこだわりがあるわけじゃないです。ウエットタイプのグリップテープで、二重にならないように巻くぐらいですね。感触として、滑りすぎたり、効きすぎたりは好きじゃないですけど…、そこも、そんなにこだわりはないです。
――巻き直すタイミングは?
とくに決めていなくて、1週間で替えることもあれば、1カ月替えないこともあります。パッと見て汚いなと思ったときとか、気が向いたときとか…、大ざっぱな感じですね(笑)。ゲン担ぎみたいなものも、一切していないです。
――色にこだわりはありますか?
ラケットに合わせて決めるので、同じモデルを使っているうちは同じ色です。リオ五輪のときは白。新しいモデルのラケット(写真)も白か、ピンクにします。
構成/バドミントン・マガジン編集部(取材日2016年12月5日)