【日本代表】激動の2016年を振り返る〜2<全英OP>

バドミントン界にとって「激動」の1年となった2016年。リオ五輪での金メダル獲得といううれしいニュースもあった一方で、代表選手などによる違法賭博問題など、各種メディアを賑わす出来事が多くあった。ここではそんな2016年を、日本代表選手の活躍などを中心に振り返っていく――(第2回)。

PLAYBACK2016

3月。「オリンピック前の大会のなかで、すべてのトップ選手が出てきて、その上でみんなが勝ちにくる大会」と松友美佐紀がいう全英OP。伝統と格式のある舞台であり、また16年のスーパーシリーズ第1戦の重要な大会で、日本選手たちが底力を見せた。女子シングルス、女子ダブルス、そして男子ダブルスの3種目で決勝に進出し、奥原希望、そして高橋/松友が見事全英王者に輝いたのだ。

奥原は、前年(15年)にSSのヨネックスOPジャパンを制し、12月の全日本総合でも2度目の優勝を飾っていた。さらには、総合後のスーパーシリーズファイナルも制覇して、名実ともに世界トップの仲間入りを果たす。タイトルを獲得して生まれた自信は、年が明けて、さらに膨らむことに。全英OPでは中国のトップ選手や世界選手権2連覇中のキャロリーナ・マリーン(スペイン)を破って頂点到達。「SSファイナルが終わって周りから注目もされ、警戒もされるようになったなかで、結果が出せたというのが、オリンピックに向けての自信になりました」と、確かな手応えをつかんでいた。

PLAYBACK2016

奥原が同種目で日本人選手として39年ぶりの優勝を飾る前、女子ダブルスの高橋/松友も一足早く優勝の美酒を味わっていた。こちらは38年ぶりのV達成。勝利の過程をたどれば、準々決勝から決勝までの3連戦はすべて中国選手というもの。冒頭の言葉にもある通り、多く選手が本気で頂点をねらってくるなかでの優勝は、2人の現在地を確認するとともに、最大のライバル・中国にも“負けない”ことを証明した価値あるものだった。

「まさか全英の舞台で優勝ができるとは思わなかったけど、SS優勝をねらったなかで今回優勝できたのは価値があると思います」(高橋)

「今回は中国トップ3に勝てたけど、そこをめざしているのに変わりはない。これからも彼女たちをめざして戦っていきます」(松友)

15年後半は不調に陥っていた2人だったが、全英後のコメントを読み返せば、その自信を取り戻し始めてきたことがわかる。タカマツの2人は、このあとのSS第2戦インドOPでも優勝を果たし、完全復活を印象づけることになる。<続く>

全英OPでは3度目の決勝進出を果たした早川(左)/遠藤。優勝は逃したが、リオ五輪につながる好結果を手にした
全英OPでは3度目の決勝進出を果たした早川(左)/遠藤。優勝は逃したが、リオ五輪につながる好結果を手にした
投稿日:2017/01/01
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