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【全日本総合】西本拳太が16年ぶりの学生王者に!<男子シングルス>

12月4日に開催された『第70回全日本総合バドミントン選手権』(東京・代々木第二体育館)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは男子シングルスのダイジェストを紹介しよう。

大きな優勝トロフィーを抱えて表彰台に立つのは、中央大4年生の西本拳太。慣れないカメラのフラッシュに少しぎこちない笑顔となったが、西本にとっての総合初優勝は、舛田圭太氏(現日本代表コーチ)が当時日本体育大4年生のときに制して以来、16年ぶりの学生チャンピオン誕生の瞬間だった。

「優勝の実感はないですが、この大会を目標に一年間頑張ってきたので、優勝できてうれしいです」(西本)

決勝戦は昨年の総合準々決勝で破った坂井一将(日本ユニシス)。今年はA代表にも選ばれ、海外を転戦するなかで実力をつけている相手だ。

第1ゲームは「お互いに硬いながらも、自分のミスが多かった」という西本がリードされ、そのまま坂井に先制を許してしまう。第2ゲームも坂井が先行して進み、14−10。しかし、負けられない西本も、ここからテンポを上げていく。「(4点差となり)ここまできたら開き直って、最後まで自分の力を出し切ろうと思って戦った」と、第1ゲームから苦しめられた相手の強打に食らいついて、自分の攻撃につなげていく。

ようやく西本の持ち味が出始めると、逆に焦りを見せたのが坂井だった。決まっていたはずのスマッシュが拾われはじめ、攻め急いだ結果ミスが生まれる。18−15と優勝に近づいていたはずの坂井だったが、ここで西本に4連続得点を奪われ苦しい展開に。すると、形勢逆転に成功した西本は、この好機を逃さない。スピードを上げて積極的にアタックを仕掛けると、22−20で第2ゲームを奪い返した。

ファイナルゲームに入ると、追いついた側の西本が「相手もプレッシャーがかかっていると思ったので、気持ちでは負けないように序盤から攻めていった」と果敢にスマッシュを打ち込む。この判断が功を奏し、西本が5−4から6連続得点などで16−5。一気に抜け出した西本がそのまま優勝ポイントをつかみ、総合での初優勝を飾った。

4月には違法賭博問題に関与したことで、日本A代表の指定を解除され、大学からも1カ月活動停止の処分が下された。「しばらくバドミントンどころではなく、何もできなかった」(西本)という苦い経験をし、復活をめざして出場した10月全日本学生選手権では、史上初の4連覇に挑戦するも、同じ中央大の後輩・五十嵐優に敗れて準優勝。それでも「この1年間は総合で優勝することを考えてやってきた」と、日本一に向かう気持ちを途切らせずに毎日を過ごした結果、最後の最後で一番欲しかったタイトルをつかみとった。

「2017年は世界の大会で優勝できるように頑張りたいと思います」

こう話し、前を向く西本。日本の新たなエースへと変貌するか。来年は、その真価が問われる1年となりそうだ。

 

西本拳太(中央大4年)

「優勝した実感はないけど、この大会を目標に1年間頑張ってきました。2ゲーム目の負けている時から逆転した場面も覚えていないです。初めての決勝戦でお互い1ゲームは硬くなっていたので、そこで自分のミスが多かったのが1ゲームの敗因だと思います。(2ゲームでリードされた場面では)正直、開き直って、ここまできたので力を出し切ろうと思ってやりました。相手の強打をひろって、ひろっていけたのがよかったと思います。3ゲームは相手もプレッシャーがあると思っていたので、序盤から攻めていきました。まだ世界では活躍していないので、2017年は世界の大会で優勝できるようにしたいです」

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