12月2日に開催された『第70回全日本総合バドミントン選手権』(東京・代々木第二体育館)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは男女シングルスのダイジェストを紹介しよう。
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【女子シングルス】
優勝候補の山口茜(再春館製薬所)は、同級生の川上紗恵奈(北都銀行)と対戦。2回戦で総合優勝経験のある今別府香里(ヨネックス)を下して勢いにのる川上に対し、山口は序盤からリズムがつかめずにリードを許す展開。第1ゲームは山口のアウトミスなどが重なり、川上が21−10で先制した。
第2ゲームは山口がペースを握りながら展開し19−17としたが、ここから川上が意地を見せて3連続得点。19−20となった山口は「負けるかもしれないと思った」と敗北を覚悟したが、観客の応援を背になんとか踏ん張り、20−20オールに戻した。すると、山口がすぐさま2連取して第2ゲームをなんとか奪い返した。
第3ゲームに入ると積極的に攻撃を仕掛ける川上に対し、山口は「守備からリズムを作ることができた」と点数を重ねて大量リード。21−9に抑えた山口が勝利を飾り、優勝候補の意地を見せて準決勝に駒を進めた
このほか、棄権した奥原希望の山から抜け出したのは、全日本社会人王者の鈴木温子(ヨネックス)。髙橋沙也加との対決をファイナルで制して、総合初の準決勝進出を果たした。次戦は同じチームの佐藤冴香と対戦する。
実力者同士の対決となった三谷美菜津(NTT東日本)と大堀彩(トナミ運輸)の試合は、第1ゲームの接戦を大堀が奪ったものの、第2、3ゲームはねばり強くラリーを展開した三谷が奪い逆転に成功。若手の勢いを止めたベテランが見事4強入りを決めている。
▼準決勝の対戦
山口茜 − 三谷美菜津
佐藤冴香 − 鈴木温子
【男子シングルス】
混戦の男子シングルスも4強が出揃った。第1シードの西本拳太(中央大4年)は、下農走(トナミ運輸)をストレートで退けて難なく上位に進出。第2シードの坂井一将(日本ユニシス)も、危なげなく勝利をつかんで準決勝に進んだ。
上田拓馬(日本ユニシス)と常山幹太(トナミ運輸)の試合は、上田がファイナル勝負をモノにして勝ち進んだ。もう一つの山からは、日本ランキングサーキット、そしてインカレ王者の五十嵐優(中央大3年)を2−0で下した同級生の小野寺裕介(日本ユニシス)が、初の総合4強入りを決めている。
▼準決勝の対戦
西本拳太 − 上田拓馬
小野寺裕介 − 坂井一将