12月1日に開催された『第70回全日本総合バドミントン選手権』(東京・代々木第二体育館)の3日目は、各種目2回戦が行なわれた。ここでは男女シングルスに出場した選手のコメントを紹介しよう。
◆女子ダブルス
髙橋礼華&松友美佐紀(日本ユニシス)/土井&早田(ヨネックス)に2−0で勝利
髙橋「昨日もいいましたが、2連覇というよりも、自分たちが中国OP、香港OPで負けたときの課題や、SSFに向けたプレーができればいいと思っているので、今日も本当に自分たちが前で、前でできていたので、スムーズなプレーができているのかなと思います。
(髙橋が前衛、松友が後衛にいる時間が多かったことについて)自分たちのいいプレーを出すために、自分が後ろで松友が前という形をずっと維持するのは難しいです。中国OP、香港OPのときでも、自分が前にいるときにすぐに下がりたいと思っていたんですが、それではダメかなと。逆の形でもどうすれば点数がとれるのかを、2人で話しながらやらなきゃいけないと思っています」
松友「昨日の会見でも話ししたんですけど、ファイナルに向けてしっかりやっていければと思っているので、明日も2人で話してやっていきたいなと思っています。
(髙橋が前衛、松友が後衛にいる時間が多かったことについて)自分たちが一番気持ちよくプレーできるのは私が前、先輩が後ろの状態ですが、どちらが前衛で、どちらが後衛というのを固定するのではなく、どの形でもどの展開でも自分たちが主導権を握っていられるようなプレーをすることが一番だと思うので、そこをめざしてやっていきたいです」
米元小春&田中志穂(北都銀行)/米元&今井(ACT SAIKYO)に2−0で勝利
米元「低い展開で相手が先に引いてくれて、そこで自分たちが立て続けに点数を取れたことが勝因の一つだと思います。いまB代表ですが、この間、A代表の方と一緒に中国OP・香港OPと行かせてもらって、「やるなら、こういう舞台でやりたいね」と2人で話をして、気持ちも固まっています。最低でもベスト4以上に入って、A代表の人と対戦して、勝ちにいきたいです」
田中「(会場に慣れず)上からのショットがなかなか合わないなかで、しっかり勝つことができました。まだ不安は少しあるんですが、明日も頑張りたいです。ベスト4以上には入りたいんですが、やはり一戦一戦しっかりいかないと、どのペアも強いので…。全部の試合がヤマだと思っています」
福万尚子&與猶くるみ(再春館製薬所)/前田&山口(再春館製薬所)に2−1で勝利
福万「今日は相手がどうこうというよりも、オリンピックレースが終わってから、自分たちがプレースタイルを変えている部分をだせたらいいなと思っていて、そこを出せたので勝てたのかなと。出来はよかったです。
変えている部分は、簡単にいえば、自分は前衛のスペシャリスト、與猶は後衛のスペシャリストをめざしていくということです。たとえば、タカマツペアは松友が仕掛けて髙橋さんが打つ形がすごいですが、自分がそのポイントをしっかり作るということ。これまでは1パターンのプレーしかできなかったところが、引き出しが増えつつあると感じています」
與猶「プレースタイルを変えて試合に臨んでいて、それを出せたことで、ファイナルにはなりましたけど、しっかり勝ちきることができたのかなと思います。私自身は後衛から打つことに代わりはありませんが、福万さんが相手に上げさせる球を作ってくれるので、いかに自分がそれを打ち下ろせるか、また、その次をねらっていけるかが大事になってくる。そうやって、2人で前に詰めていくスピードを速くすることで、得点の確率が高まると思っています」
◆男子ダブルス
松居圭一郎&玉手勝輝(日本体育大4年&2年)/島田&竹内(ヨネックス)に2-0で勝利
松居「2人でカバーし合って勝つことができたと思います。大学生は強くないと思われているかもしれませんが、自分たちは毎日真剣に、ストイックに練習を重ねてきました。明日の準々決勝は最高のパフォーマンスをして、大学生でもできるところを見せたいです」
玉手「緊張して自分のプレーができず、松居先輩に助けてもらいました。先輩が卒業するので、ペアとしてはこれが最後の大会。それだけに勝ちたいと思いが強く、力んでしまった部分がありました。課題ばかりだったので、明日は自分のプレーをしっかり出しきりたいです」
井上拓斗&金子祐樹(日本ユニシス)/伊東&小林(金沢学院クラブ)に2−0で勝利
井上「出だしは悪かったけど、相手も弱い選手ではないです。自分たちのミスと、相手のパターンにつかまってしまったのと、丁寧にいかないといけないという気持ちから、いつも以上に前衛の役割ができませんでした。ただ、役割がしっかりできない中、我慢して勝てたのはよかったと思います。(明日以降について)今日は本当にダメだったので、明日は思いきって、いつもどおりにできるよう、しっかり気持ちを整えてやりたいです」
金子「(出だしが悪かったのは)相手を警戒して大事に行きすぎました。点を取られているときはアウトや無駄なミスが多かったけど、点を取れているときは自分たちのいい形ができていたので、その形までいけば追いつけるかなと思っていました。(明日以降について)ベスト8をめざしてきたわけではなく、一番上をめざしています。相手が誰であっても倒していきたいです」
遠藤大由&渡辺勇大(日本ユニシス)/西澤&和田(JTEKT)に2−0で勝利
遠藤「今日はプレーが硬いところがあったので、明日からしっかり直したいです。新たなペアとしては、技術とか戦術とか細かいことじゃなく、渡辺にはざっくり伝えて、コートの中でコミュニケーションを取ることを一番大切にしています。今日は、風が安定しないので3球目から先手先手で沈めて、攻撃態勢にしようと話し合って決めていました。
この全日本総合は、一番タイトルを取りたい大会。新しいペアでA代表に入るためには、ここで勝たなきゃいけないので、相手に対するプレッシャーより自分自身のプレッシャーのほうが強いです。自分の中で一つの区切りをつけて新しいスタートを切ったので、いいスタートダッシュをしたい。そのためにも、今大会のテーマは『勝ちたい』。パートナーは若手の有望株だし、優勝カップを持たせてあげたいと思っています。内容なんて二の次で、勝つのが第一。とにかく勝てばいいという考えです」
渡辺「今日はまだ風を読みきれていなかったので、しっかり自分でコントロールしたいです。球を沈めて遠藤さんに打たせることができれば勝ちは大きく近づくので、まずは沈めることを第一に考えて徹底する。そこから、また新たな発見や違うプレーが生まれてくると考えています。思いきりのよさは、まだもう少しな感じで、そこが明日からの課題かなと思っています。
(ベンチに入っている遠藤の元パートナーの早川賢一からは)具体的なアドバイスはまだ少ないけれど、世界で戦ってきた選手。言うとおりにやれば、勝ちはついてくると思います。全日本総合は勝ちたい大会で、気持ちを入れて泥臭く戦いたい。遠藤さんが優勝に導いてくれると思うので、しっかりそれに乗っかりたいです」