現地の20日夜に、リオ五輪が閉幕しました。日本バドミントンが、これまでにない素晴らしい結果を残した大会になりましたが、レポートの最終回は大会を通して感じたことをお伝えしたいと思います。
バドミントンは、「リオセントロ」という会場で行なわれました。もともとあったコンベンションセンターで、内装がオリンピック仕様に変わった状態でしたが、会場の内外を含めてオリンピックらしい雰囲気はあまり感じられませんでした。
運営も杜撰で、レベルが低かったといわざるをえません。たとえば、表彰式の準備が決勝の試合が終わっていないうちに始められたり、優勝が決まって会場が一番盛り上がるときにあえてBGMが流れたり…。セキュリティー面でも、本来であればビデオカメラでの撮影が許されないようなところがOKだったりと、首をかしげることが何度もありました。
もう一つ気になったのは、各種目の決勝でも会場内は空席が目立っていたことです。このレポートでもふれましたが、会場がよい雰囲気をつくることで、選手のパフォーマンスがよくなることもある。その意味では、観客もオリンピックの成功を左右する要素なのです。その中で素晴らしいなと思ったのは、ブラジル人の観客が自分たちとは直接関係ない国同士(日本を含む)の試合でも、盛り上がって応援していたこと。その姿は好感が持てました。
会場の内部については先日写真を紹介しましたが(こちら)、外も砂利道で舗装されておらず、歩道とバスの車道に区別がない状態でした。いわゆる“表(オモテ)”は観客が入るところなので、まだそれなりに装飾が行き届いていたと思いますが、選手やメディア関係者が入る“裏側”はほぼ手つかずでしたね。メイン会場のオリンピックパークについてはわかりませんが、卓球やウエートリフティングなども開催されていたリオセントロは、こんな状態でした。
大会全体としてコストを削減するような動きがあったことも関係していると思いますが、バドミントン選手の大会に対する満足度はかなり低かったのではないでしょうか。僕もそうですが、とくにロンドン五輪を経験している選手にとっては、その差はかなり大きいはずです。
また、今回は治安の関係で、選手が家族や同僚、仲間たちと市内で食事をとるのも難しかったと聞いています。僕自身、開催国をはじめとするさまざまな文化に触れるのもオリンピックの一つの魅力だと思っているのですが、今回それができなかったのは物足りなかったですね。
リオ五輪が終了して、次は4年後、2020年の東京オリンピックです。そこでは、われわれ日本人が各国の人を迎えるわけです。リオよりも治安がいいので、より多くの国からたくさんの人が訪れるのではないでしょうか。会場でオリンピックならではの雰囲気をつくれるか、会場外で選手や応援に来た人に満足して帰ってもらえるか――。それは、運営に携わる人だけでなく、僕らにもゆだねられているとういことをお伝えして、このレポートを終わりにしたいと思います。
短い間でしたが、読んで下さった皆さん、ありがとうございました!