「2016 情熱疾走 中国総体」バドミントン競技は12日、男女個人戦シングルス・ダブルスの準決勝・決勝が、岡山県ジップアリーナ岡山で行なわれた。ここでは男子シングルス、ダブルスのダイジェストをお伝えしよう。
◆男子ダブルス
男子ダブルスは渡邉航貴/仁平澄也が、実力伯仲の上位対決を見事抜け出し優勝を飾った。
準決勝に勝ち進んだのは、渡邉航貴/仁平澄也と小野寺雅之/岡村洋輝の埼玉栄ペア。そしてもう2組は、富岡ふたばの山澤直貴/本田大樹と2年生ペアの金子真大/久保田友之祐が進出。
決勝の切符をかけて争われた準決勝は、埼玉栄の小野寺/岡村が富岡ふたばの金子/久保田をストレート退けて勝利。第1ゲームこそ14本とセーフティーリードを保ったが、第2ゲームはデュースにもつれる接戦に。しかし、ここは3年の意地をみせた小野寺/岡村が先に抜け出し、念願のファイナル進出を決めた。
もう一方の山では、渡邉/仁平、そして山澤/本田の3年生エース対決が実現。埼玉栄の同校決勝を阻止したかった富岡ふたばの2人は、第1ゲームを奪われた後の第2ゲーム、なんとか食らいついて17本で取り返す。1−1となり、両ペアともに気迫のこもった戦いとなったが、最後は埼玉栄ペアが16本に抑えて決勝に進出した。
同校対決となった決勝は、どちらも主導権を譲らぬ展開に。第1ゲームを小野寺/岡村、第2ゲームを渡邉/仁平が分け合うと、第3ゲームも激しいラリーの応酬がコートの上で繰り広げられた。すると終盤、リードをつかんだのは渡邉/仁平。20−17でマッチポイントをつかむと、そのままポイントを奪って優勝を果たした。
なお、惜しくもシングルスの優勝を逃した渡邉だったが、このダブルス優勝を果たしたことで、春夏の高校タイトルを5つ手にしている。
渡邉航貴
「シングルスで負けてしまって、1冠じゃ帰れないと思っていました。パートナーの仁平のためにも頑張りたかったので、優勝できてよかったです。決勝は2ゲーム目の競った場面で、お互いに声を掛け合ったのがよかったと思います」
仁平澄也
「決勝はこれまであまり勝てていない相手。いつも試合では航貴に引っ張ってもらっていたけど、今日は自分が引っ張って行こうと思っていました。強気に前に入ることができたのがよかったと思います」
◆男子シングルス
男子シングルスの準決勝に勝ち上がったのは山澤直貴(富岡ふたば)、小本大佑(八代東)、小野寺雅之(埼玉栄)、金子真大(富岡ふたば)の4人。昨秋以降の全国大会(全日本ジュニア、高校選抜)で頂点に立ち続けた渡邉航貴が準々決勝で山澤に敗れ、誰が勝っても高校のシングルスタイトルは初。
混戦模様の男子シングルスで頂点に立ったのは、V候補の渡邉を下した山澤だった。準決勝では小本と対戦し、第1ゲームを落とす苦しい展開。しかし、第2ゲームを18本で奪い返すと、第3ゲームもねばる小本を振り切って決勝の切符をつかんだ。
反対の山からは、2年生の金子をファイナル勝負の末に下した小野寺が勝ち上がる。小野寺はダブルスでも決勝進出を果たしており、渡邉に代わって「3冠」の可能性を残していた。
しかし、男子シングルス決勝の前に行なわれたダブルス決勝で、小野寺は埼玉栄の同校決勝で惜敗。これが小野寺のメンタルに影響を及ぼしたのか、山澤との決勝戦が始まると小野寺のスピードが上がらない。逆に初の高校単タイトル奪取に向けて気合が入る山澤は、ペースをしっかり掌握。第1ゲーム、山澤が21−10で制した。
第2ゲームは気持ちを切り替えて臨んだ小野寺が、前半とは打って変わって激しいラリーを展開するも、山澤がこれを必死にさばいて応戦。すると、先にマッチポイントを手にした山澤が、そのまま小野寺を振りきって、全小優勝以来となる全国制覇を遂げた。
「小6の全小から優勝できていなかったので、すごくうれしいです。最後まで足がしっかり動いたのがよかったと思います。“富岡”が最後なので、練習から自分にプレッシャーを掛けながら練習していました。優勝して、地元の人たちにいい報告ができてよかったです」