4年に一度のスポーツの祭典、リオデジャネイロ五輪のバドミントン競技が8月11日に開幕した。大会初日は各種目の予選リーグが行なわれ、日本からは女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀、混合ダブルスの数野健太/栗原文音、そして男子ダブルスの早川賢一/遠藤大由が登場した。
日本勢で最初にリオ五輪のコートに立ったのは女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀の2人。予選リーグ・グループAのタカマツは、リーグ初戦でインドのグッタ/ポンナッパ(インド)と対戦。出だしこそ緊張した動きが目立ったが、第1ゲームを奪ったあとの第2ゲームは、終始落ち着いたプレーで得点を重ねる。
「最初の方は緊張してしまったが、緊張すると思っていたのでその準備もできていた。やることは少しずつできていた」と松友。初めてのオリンピックの舞台には、さすがの世界ランク1位も緊張したそうが、集中力が増すにつれて本来の動きを取り戻し、格下の相手を圧倒した。
「1回戦が課題でした。でも、そのわりにはいいプレーだったので、ストレート勝ちができたと思います」(髙橋)
日本の金メダル候補が幸先のよいスタートを切ると、これに続いたのが混合ダブルスの数野健太/栗原文音。オランダペアとの初戦を迎えると、第1ゲームからエンジン全開。テンポよい攻撃を続けて14本で奪い、第2ゲームこそ接戦にもつれたが、最後は相手を振りきって2−0ストレートで勝利。
リーグ戦でのライバルとされた相手から貴重な1勝をつかんだ栗原は「予選リーグでとくに大事な試合。しかも初戦ですごく緊張したけど、勝ちたいって気持ちよりも、2人のプレーを出し切ろうと思った」と振り返る。また数野は「リオに入るのが早くて、会場の雰囲気や風には慣れることができた」と、体育館の環境をしっかり把握して戦えたことを勝因にあげている。
2ペアの勝利後、日本の3番手として登場したのが、男子ダブルス・世界ランク8位の早川賢一/遠藤大由。予選リーグ・グループDには、世界ランク2位のセティアワン/アッサン(インドネシア)がおり、4ペアのリーグ戦を突破するには、初陣の洪煒/柴飈(中国)から白星をつかむことが必要だった。
負ければリーグ突破が一気に厳しくなる試合で、早川/遠藤はねばり強さを見せる。第1ゲームこそ18本に抑えた早川/遠藤だったが、第2ゲームで相手攻撃に引いてしまい大きなリードを許してしまう。そのままゲームを落とし、1−1のイーブンに持ち込まれた。
第3ゲームも主導権は中国ペア。日本が迫っては突き放される展開となったが、終盤に奮起したのは早川/遠藤だった。ファイナルゲーム中盤、11−16までリードを許したが「普段だったらあきらめムードだったけど、これまでの合宿で苦しんできたので、最後まであきらめなかった」と早川。その言葉通り、5点差から徐々に差をつめると、20−20の同点に。ここから緊迫した戦いとなったが、最後は積極的に前に出た日本ペアが押し込んで勝利。オリンピックでの初白星、そしてリーグ戦を抜け出すための大事なポイントをつかんでいる。
「作戦なんてもうない。“気持ちで諦めない”としか話していなかった」(遠藤)