3月初旬の全英OPから始まった今年のスーパーシリーズ(全12戦+SSファイナル)は、6月第2週のオーストラリアOPを終え、シリーズの半分が終了した。ここではスーパーシリーズを中心に、各種目の上半期成績を振り返ろう。第3弾は男子ダブルスの状況を紹介する。
男子ダブルスは第1戦から第6戦まですべて違うペアが制しており、混戦模様となっている。そのなかで世界ランク1位に輝いているのが韓国の柳延星/李龍大。上半期は6月のインドネシアOPを制したほか、3大会でベスト4入りを果たしており安定感は抜群だ。同胞の金基正/金沙朗はマレーシアOP優勝、高成炫/申白喆も4強1回と、ダブルス王国の底力は健在。3ペアとも強靭なフィジカルを武器に、攻守ともにねばり強い戦いでライバルを圧倒している。今後も3ペアがSSの上位戦線を盛り上げていきそうだ。
インドネシアは、これまで男子ダブルスの屋台骨を支えていたセティアワン/アッサンが優勝ゼロの状況。昨年の世界チャンピオンにとっては苦しい結果が続いているものの、この王者に代わって勢いのある若手が台頭している。それが、フェルナルディ/スカムルジョとプラタマ/スワルディだ。2人ペアは今季インドOP、オーストラリアOPの決勝を争っており、2大会ともにフェルナルディ/スカムルジョが優勝を果たした。また、プラタマ/スワルディは5月に行なわれたトマス杯でもチームの準優勝に貢献しており、勝負強さが備わってきた印象だ。この若手2ペアは世界ランクもトップ10付近に浮上しており、これからの飛躍も考えられる存在だ。
このほかでは、マレーシアのゴーVS/タンWKやデンマークのピーターセン/コールディングもSS上位に顔を見せるようになった。中国は洪煒/柴飈に安定感が出ており、先輩の傅海峰/張楠に接近している。日本の園田啓悟/嘉村健士もシンガポールOP準優勝、アジア選手権4強など好成績を残しており、こちらも一皮むけた印象。これからの戦いぶりに注目が集まる。
リオ五輪後は、これまで世界の最前線を戦ってきたベテラン陣が進退を選択することになる。SS後半戦はこれまで中堅に位置していたペアがジャンプアップする可能性もあり、男子ダブルスの「世代交代」が一気に加速していきそうだ。