5月24日に開催された2016日本ランキングサーキット(埼玉県さいたま市)4日目は、各種目の準決勝が行なわれた。ここでは男女シングルスの準決勝ダイジェストと試合結果、明日の組み合わせを紹介しよう。
【男子シングルス】
大学生で唯一、ベスト4に残った五十嵐優(中央大)は、1歳下の常山幹太(トナミ運輸)と対戦。互いに連続ポイントを奪っては追いつかれる展開から、五十嵐が最後に抜け出して第1ゲームを先取。同じ流れの第2ゲームは、五十嵐が17-13とリードしたが、常山が連続7ポイントをあげてゲームポイント。しかし、そこから五十嵐が連続3ポイントを返して20-20のデュースに持ち込むと、次のラリーで常山がドライブをアウトにし、最後は五十嵐がラウンドから渾身のストレートスマッシュ。計5ポイントを連続で奪い、22-20で勝利をつかんだ。
反対側の山は、埼玉栄高校で五十嵐と同級生だった小野寺裕介(日本ユニシス)と、山口容正(トナミ運輸)が対戦。今大会、安定感が際立つ山口が第1ゲームを奪い、第2ゲームは小野寺がリードする展開。17-17で追いついた山口に対し、小野寺が先にゲームポイントを握るが、20-20から山口が22-20で押しきり決勝戦の切符を手にした。
▼試合結果
五十嵐優(中央大)②〔21-18、22-20〕0●常山幹太(トナミ運輸)
五十嵐「こういう大会はあまり慣れていないので、緊張してミスなどもあったけど、気持ちで負けないように、ラリーをしっかりすることを意識しました。同じナショナルB代表の武下(利一)さんや坂井(一将)さんがいないので優勝するチャンスはあるとも思うし、ねらっていきたいです。(決勝戦の相手)山口さんとはこれまで2回対戦して負けているので、3度目の正直という気持ちで臨んでいきます」
山口容正(トナミ運輸)②〔21-16、22-20〕0●小野寺裕介(日本ユニシス)
▼明日の組み合わせ
山口容正(トナミ運輸)-五十嵐優(中央大)
【女子シングルス】
川上紗恵奈(北都銀行)と漆﨑真子(山陰合同銀行)の試合は1時間近くに及び、ファイナルゲームまでもつれこんだ。いい形で得点を奪って第1ゲームを先取した川上だが、第2ゲーム序盤からミスが目立ちはじめ、13-21で失う。対する漆﨑は第2ゲーム以降は丁寧なラリーと落ち着いた試合運びでペースを掌握。ファイナルゲーム4点目以降、一度もリードを許さず勝利を収めた。
前日、それぞれ同チーム対決を制して勝ち上がった峰歩美(再春館製薬所)と鈴木温子(ヨネックス)が対戦。お互いに持ち味であるねばり強いラリーで得点を奪い合ったが、この我慢比べをストレートで制したのは峰だった。鈴木は第2ゲーム、19-19まで迫るも最後のミスが響いて惜敗となった。
▼試合結果
漆﨑真子(山陰合同銀行)②〔15-21、21-13、21-13〕1●川上紗恵奈(北都銀行)
漆﨑「初戦から自分のパフォーマンスに納得していませんでしたが、試合後の練習などをしていくうちに、一日ずつよくなってきました。(準決勝は)第1ゲームで自分からのミスが多く、相手のスピードに対応しきれなかったけど、第2ゲームは相手のミスもあり、また、第3ゲームは自分がスピードを上げていったら相手が(気持ちの面で)引いてくれたので攻めきることができました。決勝は相手より1本でもねばり負けしないように、チャレンジャー精神で戦いたいです」
峰歩美(再春館製薬所)②〔21-13、21-19〕0●鈴木温子(ヨネックス)
峰「いつも通りのプレーができたと思います。(試合中は)つねにラリーが長くなっていたので、自分の気持ちが切れないように、ねばり強く戦うことを意識しました。(決勝戦は)フィジカルは相手が上だと思うけど、ここまできたら動けなくなるまで、頑張っていきたいです」
▼明日の組み合わせ
峰歩美(再春館製薬所)-漆﨑真子(山陰合同銀行)
取材・文/平田美穂(戦評)、バドミントン・マガジン編集部