5月20日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)6日目は、男女決勝トーナメント・準決勝が行なわれた。ここではユーバー杯の日本戦ダイジェストをお送りしよう。
【ユーバー杯日本戦ダイジェスト】
準々決勝では、欧州の雄・デンマークに快勝した日本。35年ぶりの優勝へ向けて視界は良好に見えたが、準決勝で前回大会4強の韓国に敗れ、2大会連続の決勝進出を逃した。
第1シングルスから勢いに乗ることができなかった。奥原希望は世界ランク7位の成池鉉に対し、2ゲームともに13本で敗退。積極的な攻撃や持ち味であるフットワークスピードが見られず、本調子を欠いた。その理由は、第1ゲーム途中に足を滑らせたことだ。試合後、奥原は「(故障を経験したヒザに対して)“恐怖感”が出てしまい、思いきったプレーができなかった」と話し、悔し涙を流した。
続いて第1ダブルスに登場したのは、ユーバー杯過去12戦で負けなしの強さを誇る髙橋礼華/松友美佐紀。世界ランク1位の2人に反撃の1勝を期待されたが、結果はファイナルゲームの末に16本で敗退。鄭景銀/申昇瓚の気迫のこもったプレーや力強いスマッシュに対し、タカマツのレシーブがワンパターンになり、相手に気持ちよく打たせることが多かった。
続く第2シングルスの山口茜は、韓国2番手の裵延姝と対戦。1ゲームを山口が奪った後の第2ゲーム、9−7となった時点で裵延姝が苦しそうな表情でコートに倒れこんでしまい、そのまま途中キケン。これにより日本は1−2とし、一縷(いちる)の望みをつないで第2ダブルスの福万尚子/與猶くるみへ。
負ければ終わりの状況でバトンを受け継いだ福万/與猶だったが、序盤から張藝娜/李紹希のパワフルな攻撃に押されてしまう。3−8とリードされたことで後手に回る場面も多く、中盤で9−9とイーブンに持ち直すも、ここから再び引き離されて第1ゲームを15‐21で失う。第2ゲームも終始主導権を握ったのは韓国ペア。ねばり強くシャトルを追う日本ペアだったが、最後までペースを奪い返せずに最後は14−21で敗戦。日本は1−3で敗れ、準決勝敗退が決定。3位決定戦は行われないため、日本は銅メダルを獲得した。
▼試合結果(準決勝)
日本 1−3 韓国
奥原希望0●〔13-21、13-21〕②成池鉉
奥原「団体戦のトップシングルスは本当に大事。チームに勢いをつけたいと思っていましたが、相手のスピードに対して自分のプレーができませんでした。『何が何でも相手コートに返す』という気持ちでいたのですが……」
髙橋礼華/松友美佐紀1●〔19−21、21—15、16−21〕②鄭景銀/申昇瓚
髙橋「いいところで決めきることができなかったり、レシーブがワンパターンになってしまった。いつもなら自分はもっと攻撃的なレシーブをできるはずなんですが、ただ上げるだけになって相手に気持ちよく打たせてしまった。今後はこういう相手にどう打ち勝っていくかが課題」
松友(右)「全体的に自分がゲームを作っていくことができませんでした。それが一番ダメな部分でした。相手のプレーは、今大会直前に行なわれた日韓戦のとき以上。逆にこちらは、そのときよりワンパターンになってしまいました」
山口茜◯〔21-17、9-7、キケン〕●裵延姝
山口「自分が負けたら日本が負けてしまう状況でしたが、『腹をくくって頑張るしかない』と思ってコートに入りました。キケン勝ちという形になりましたが、1ゲーム目をきっちり取れたので、2ゲーム目もシーソーゲームになった。冷静にできていたと思います」
福万尚子/與猶くるみ 0●〔15−21、21−14〕②張藝娜/李紹希
福万「“ダブルス”ができなかった。相手は攻撃が強かったです。どこかで勝負に出たかったのですが……。オリンピックレースが終わって、なんとか気持ちを上げたかったけれど、上げ切ることができていなかったと思います」
與猶(右)「日韓戦で何もできなかったのですが、今回は多少できたと思います。ただ、守りから攻撃に切り替えることが少なかった。うまくいかなかったです」