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【ト杯】日本はデンマークに屈して無念の8強… 準々決勝

5月19日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)5日目は、各準々決勝が行なわれた。ここではトマス杯の日本戦ダイジェストをお送りしよう。

 

【トマス杯ダイジェスト】

予選リーグ・グループAを2位通過した日本男子。決勝トーナメント準々決勝では、グループD1位で第2シードに入ったデンマークと対峙した。欧州の雄・デンマークはト杯優勝こそないものの、8度の準優勝を誇る強豪国。今大会はシングルスに世界ランク13位以内の選手を3人も擁し、日本としては「ダブルス2本を絶対に取って、シングルスどれか1つで取る」(朴柱奉監督)という作戦で勝利をねらった。

 

しかし、朴柱奉監督の思い描いたシナリオ通りにはいかず…。第1試合は佐々木翔が世界ランク4位のビクター・アクセルセンにストレート負けを喫したものの、第2ゲームの終盤は気迫のこもったプレーで5連続得点するなど、日本の流れは決して悪くなかった。

ベテランの奮起を見て、なんとしても白星をつかみたい第1ダブルスの早川賢一/遠藤大由だったが、ここで大きな落とし穴が。「自分たちが必ず勝たなければ」(早川)というプレッシャーが、早川/遠藤“らしさ”を失わせたのだ。2人は第1ゲームを16本で失い、第2ゲームも中盤11オールまで競ったが、要所でのミスが続き苦戦。後半もそのまま相手に押し切られてしまい、日本は大事なポイントを落としてデンマークに王手をかけられた。

 

続く第2シングルス、負ければ終わりという状況で、日本はハートの強さに定評がある上田拓馬がコートに。対するデンマークは、世界ランク5位のヤン・O・ヨルゲンセンが登場。下馬評ではヨルゲンセン有利だったが、背水の陣で臨んだ上田が好プレーを連発。高いファイティングスピリットを見せてファイナルゲームに持ち込むと、なんとか白星を奪って後続に望みを託す。すると、その余勢を駆って第2ダブルスの園田啓悟/嘉村健士も、世界ランク23位の長身ペアをストレートで退けた。

 

これで両国のポイントは2-2となり、逆転劇まで思い描いた日本。だが、前回王者の意地の追い上げはここまでだった。「いい流れでつないでくれたので、絶対に勝ちたかった」という第3シングルスの武下利一は、格上のH・K・ヴィテンフスに第1ゲームを21本で落とすと、第2ゲームは序盤の大量リードが響いて、17本で惜敗。これにより日本は2−3でデンマークに敗れ、無念のベスト8。4大会連続のメダルまで、あと一歩届かなかった。

 

 

▼試合結果(準々決勝)

日本 2−3 デンマーク

佐々木翔0●〔13-21、16-21〕②ビクター・アクセルセン

佐々木「体が思った以上に重かった。なんとか一本取りたい気持ちでしたが、相手の球に反応しきれなかったです。ねばって相手のミスを待つしかないと思ったのですが…。2ゲーム目の最後の追い上げは(5連続得点)“気持ち”でした」

 

早川賢一/遠藤大由0●〔16−21、17−21〕②ボー/マッズ

早川「自分たちのダメな部分が出てしまいました。昨日の敗戦を引きずったわけではなく、『勝たないと』という気持ちが空回りして……気負いすぎた部分があったかもしれません」

遠藤(写真右)「悔しいしかないです。相手どうこうではなく、自分がダメだった。(具体的には)全部です。自分たちのレベルが高いとは思っていないですけど、あらためて『こんなもんなんだな』と持った。それを感じられたのは収穫だったかもしれません」

 

上田拓馬②〔21-13、13-21、21-10〕0●ヤン・O・ヨルゲンセン

「0-2で回ってきた場面でも、自分が1ポイント取って次につなげられてよかったです。格上で、いままで勝ったことない相手でしたが、勝ち負けよりも思いきっていこうと心がけたことがよかったのかなと思います」

 

園田啓悟/嘉村健士②〔21−15、21−17〕●アストルップ/ラスムセン

園田「前回のト杯の決勝で自分たちは負けて悔しかったので、今大会は雪辱したい気持ちで挑んでいる。なので、勝って次につなげられてうれしかたです。プレッシャーもありましたが、“気持ち”でカバーできました」

嘉村(写真右)「スイスOPで勝っている相手。自分たちはいつも以上に気合が入っていて、『負けたくない』という気持ちでしっかりプレーできました。前回大会の悔しさがあるので、ここで負けたら『何の意味もない』と思って頑張りました」

 

武下利一●0〔21-23、17-21〕②H・K・ヴィテンフス

武下「0-2だったところをいい形で自分につなげてもらったので、絶対に勝ちたかった。キツイ試合になるのは想定して準備していましたが、実際にコートに入ると雰囲気も違う。それでも2ゲーム目、出だしからもっとしっかりいけたらよかった。相手にリードされて、追いつくので精一杯に……悔しいです」

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