5月18日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)4日目は、各予選リーグが行なわれた。ここではトマス杯の日本戦ダイジェストをお送りしよう。
【トマス杯ダイジェスト】
グループAの予選1位通過をかけ、日本男子は強敵・中国と対戦した。中国にとって日本は、前回大会で敗れた相手。会場を埋め尽くした地元ファンの前で強さを証明する絶好の機会だった。一方、日本にとっては“完全アウェー”となったが、そのなかでも前回王者としてのプライドを感じさせるプレーを連発した。
とくにその気持ちが現れていたのは、トップバッターを務めた佐々木だ。世界ランク1位の諶龍を相手に、第1ゲームを22-20で先制。1本1本ていねいに食らいついて相手の“焦り”を生むと、第2ゲームも8-5でリードした。しかし、中盤以降、諶龍のショットの精度が一段と上がり、佐々木はこらえきれずに大量失点。17本で失うと、ファイナルゲームは序盤から一挙5連続得点を許し、最後まで悪い流れを断ちきることはできなかった。
しかし、33歳のベテランの見せた“熱き魂”が、メンバーに好影響を与えていく。
第2試合を務めた第1ダブルスの早川賢一/遠藤大由は、世界ランク3位の傅海峰/張楠に第1ゲームは19本で失い、第2ゲームも4-11まで走られたが、あきらめることなく食らいつく。すると、ついに15点で追いつくと、その後の競り合いを制して27-25でものにした。だが、ファイナルゲームはわずかに及ばず。勝負所で強かった傅海峰/張楠に軍配があがっている。
第2シングルスの上田拓馬も、林丹を相手に第1ゲームは18本までねばるなど、見せ場を作った。第2ゲームは8本で完敗し、これで日本の敗戦が決まったが、続く第2ダブルスの園田啓悟/嘉村健士は初対戦となる即席ペアに2ゲームともに18本で善戦。第3シングルスの武下利一も世界ランク5位の田厚威を相手に、ファイナルゲームまで競り合ったことは、今後の好材料となりそうだ。また、日本は0-5で敗れたとはいえ、1時間を超える接戦を3試合展開するなど、中国を決して楽に勝たせることはなかった。勝敗以上につかんだ手応えも大きかったに違いない。
日本はこれで、グループA2位通過が決定。この日の最終試合となった日本VS中国戦後に決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行なわれ、日本男子・日本女子ともにデンマークとの対戦が決まった。
ともに試合は、日本時間20時から開始予定。
▼試合結果(グループA)
佐々木翔●1〔22-20、17−21、12−21〕②諶龍
佐々木翔
佐々木「中国は前回、日本に負けているので、プレッシャーがあったと思う。逆に自分は、失うものは何もなかった。自分のイメージ通りに諶龍についていけましたが、ファイナルで0-5まで離されたのが痛かったです」
早川賢一/遠藤大由●1〔19−21、27-25、15-21〕②傅海峰/張楠
早川「いいパフォーマンスができたと思う。ただ、勝負所の点の取り方はもう一回やっていかないといけない」
遠藤「内容はよかったと思います。でも、内容は二の次。勝つことが大事でした。細かい部分をもっとやっていかないと」
上田拓馬●0〔18−21、8−21〕②林丹
上田「やっぱり強かったですね。配球がうまいですし、自分がいい体勢で攻められる機会が少なかったです。気持ちが空回りしてしまった部分もある。決勝トーナメントも苦しいと思うので、しっかり頑張りたい」
園田啓悟/嘉村健士●0〔18−21、18−21〕②李俊慧/鄭思維
園田「自分たちのプレーができなかった。中国に1本でも取りたかったので残念です。次はしっかり役割をはたしていきたい」
嘉村「勝負は決まっていましたが、絶対に一本を取ろうと思っていました。でも、相手は即席ペアで、対応がうまくできなかった。自分たちのプレーが出せなかったのが一番残念です」
武下利一●1〔23-21、17-21、11−21〕②田厚威
武下「全部の試合が競っていたので、自分の試合までの待ち時間は長かったのですが、自分の動きに影響はなかったです。どんな場面でコートに入っても、自分のやることは勝ちに行くことだけ。格上相手に勝負できた手ごたえはあるので、次につなげていきたいです」