5月17日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)4日目は、各予選リーグが行なわれた。ここではユーバー杯の日本戦ダイジェストをお送りしよう。
【ユーバー杯ダイジェスト】
グループDの予選1位通過をかけ、日本女子は強豪・インドと対戦した。今年2月のアジア団体戦(インド・ハイデラバード)ではインドに5−0で完勝していたが、前回不在だったサイナ・ネワールが今回はトップシングルスで登場。日本は奥原希望を起用しエース対決となったが、第1ゲームは奥原が18本でサイナに奪われる。すると、第2ゲームも奥原の劣勢が続き、最後はサイナに6本で押し切られ敗戦。スタートに失敗した日本は、続く山口茜もシンデュ・P.V.(インド)に0−2のストレートで敗れ、優勝候補が苦しい状況に追い込まれた。
しかし、ここから底力を発揮した日本女子。ダブルスのエース・髙橋礼華/松友美佐紀が、ペアを組み替えたインドのグッタ/ネラクリヒを11本、8本の速攻劇で退ける。続く第3シングルスの佐藤冴香も29分で相手を仕留め、2−2のイーブンに引き戻した。
勝敗を託されたのは、第2ダブルス・松尾静香/内藤真実のベテラン2人。第1ゲームを落とし、第2ゲームも後半までもつれる展開となったが、この正念場を21−19で乗り切りファイナル勝負に持ち込む。すると9−9、12—12と中盤までどちらも譲らない展開となったが、ここから巧みにポイントを重ねたのが日本ペア。相手のミスを見逃さずに17−14とリードを広げると、ここからは要所をしっかり締めて21—16で勝利ポイントをつかんだ。
激戦を勝ち抜いた日本は、リーグ3連勝を飾りグループD1位通過が決定。2勝1敗のインドは2位通過となった。
▼試合結果(グループD)
奥原希望●0〔18−21、6−21〕2◯サイナ・ネワール
奥原「昨日とは違う緊張があり、最後まで守りに入ってしまいました。自分がもっとディフェンスにまわる展開になると思いましたが、相手はパワーストロークをしてきた。重い球に対してコントロールができませんでした。明日からは、より負けられない戦いになる。自分の力を発揮したいです」
山口茜●0〔11−21、18-21〕2◯シンドゥ・P・V
「“勝たなきゃ”と思っていたので、すごく緊張しました。自分のプレーに自信が持てず、球が甘くなる部分があったと思います。相手は背が高くて攻撃力があるので、(自分の)守備がうまくできなかったです。次に出るときは、しっかり自分のプレーを出したいです」
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−11、21−8〕0●グッタ/ネラクリヒ
髙橋「2年前に準決勝で対戦したときも0-2で回ってきましたが、今回は緊張もプレッシャーもありませんでした。相手はペアを変えてきましたが、それは予想していました。自分たちのプレーができれば勝てる自信があったので、それができてよかったです」
松友「3試合目なので、落ち着いてできました。0-2の状況でも私たちのやることは変わらない。やることをやって負ければしょうがないですが、やることをやれば勝てる自信がありました」
佐藤冴香②〔21−7、21−14〕0●Ruthvika Shivani GADDE
「若手の2人が負けたとき、『先輩が立て直す番だ』と感じました。試合前からしっかり準備をして気持ちをつくっていたので、落ち着いてプレーできたと思います。今後、自分が起用されたなら、チームのために頑張るのみです」
松尾静香/内藤真実②〔15−21、21−19、21−16〕1●ポンナッパ/シンデュ
松尾「相手はとても攻撃が強いペア。1ゲーム目は低い展開からやられてしまったので、2ゲーム目から大きい展開にリズムを変えて、私が前に出るようにしました。これが2人だけの戦いだったら、負けていたかもしれない。プレッシャーもありましたが、応援が力になりました」
内藤「メンバーに選んでもらったからには、どんな泥仕合になっても絶対に勝ちにこだわろう、責任を果たそうと思っていました。決勝トーナメントは中国やタイなど、強い相手がたくさんいるので、一つ一つ、みんなで戦っていきたいと思います」
※インド戦は、相手国に単複を兼ねる選手がいる関係で、1S→2S→1D→3S→2Dの順で試合が組まれた