5月16日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)2日目は、各予選リーグが行なわれた。ここではトマス杯の日本の活躍を紹介しよう。
【日本戦ダイジェスト】
予選リーグ2戦目となるメキシコ戦に臨んだ日本男子だったが、この日の試合開始時間は午前8時半から。スーパーシリーズなどの個人戦の大会より早めの開始時間となるが、日本はとくに問題なくメキシコを撃破している。
日本は相手が格下ということもあり、単複エースの佐々木翔、早川賢一/遠藤大由を温存するオーダー。これにより、シングルスは坂井一将、ダブルスでは保木卓朗/小林優吾が起用され、両者ともに初めてトマス杯のコートに立った。
試合はどの試合も終始、日本が圧倒した。佐々木に代わって登場した上田拓馬がトップシングルスに立つと、8本、9本で勝利し好スタートを切る。続いて登場した第2シングルスの坂井一将も主導権をしっかり握って快勝、初白星をゲットした。その余勢を駆って、武下利一も2-0で勝利。第2ゲームこそ18本まで追い上げられたが、要所を締めて日本の予選2勝目を決めた。
試合の勝敗が決まってからの出場となったダブルス陣は、4月から勢いに乗る園田啓悟/嘉村健士が格下の相手を8本、6本で一蹴。トナミ運輸の後輩でもある第2ダブルスの保木卓朗/小林優吾に最高の形でバトンを渡すと、2人は落ち着いたプレーを見せてストレート勝ち。フレッシュな20歳ペアが、トマス杯初勝利をつかんでいる。
5-0でメキシコに快勝した日本は、予選リーグ2勝目をあげたことにより予選突破が確定。18日(水:日本時間20時開始)は、予選リーグ1位をかけて同じく全勝中の中国と対戦する。
▼試合結果(グループA)
日本(2勝) 5ー0 メキシコ(2敗)
上田拓馬②〔21−8、21−9〕0●Lino MUNOZ
上田「しっかり勝って日本にいい流れをもたらしたかったので、勝ててよかったです。明後日(18日)の中国戦では、今日よりもっといい動きができるように調整していきたい。一人ひとりが頑張れば、優勝も見えてくると思います」
坂井一将②〔21−12、21-9〕0●Job CASTILLO
坂井「今日はこのユニホームに袖を通すのが怖かったくらい、ものすごく日の丸を付ける重みを感じました。初めてですし、憧れの舞台だったのですごく緊張したけれど、勝ち負けより力を出しきることを意識したので、それが勝利につながった要因かなと思います」
武下利一②〔21−10、21−18〕0●Luis Ramon GARRIDO
武下「初戦より落ち着いてできましたが、最後にもたついたのが反省点。2ゲーム目のコートは球が止まるので、浅くなったところを相手に打たれて自分にミスが出てしまいました。中国戦はもっとラリー展開になる。自分が出ることになったら、しっかり我慢して1ポイント取りたいです」
園田啓悟/嘉村健士②〔21−8、21−6〕0●Job CASTILLO/Lino MUNOZ
園田「コートに慣れてきたので、昨日より動けるようになりました。みんなコンディションはいいと思います。今後も自分たちがゲームを引っ張っていく気持ちでやりたい。とくに中国戦では、自分たちらしいガッツあふれるプレーで貢献したいと思います」
嘉村「段々と調子が上がって来ていると思います。中国戦は楽しみ。ただ、試合まで1日空くことで、プレーも気持ちも変わってくると思うので、練習をしっかりやりたい。自分たちの低空戦で勝負して、会場を湧かせるようなプレーをしたいです」
保木卓朗/小林優吾②〔21−8、21−10〕0●Lopez ANDRES/Luis Ramon GARRIDO
保木「どんな相手でも、この舞台に立ったらとても緊張しました。前回日本が世界一をとったときの映像を見て、あの場面に立ちたいとはすごく思っていましたが、まさか今回立てるとは思っていませんでした。今後、どんなオーダーになるかわからないですが、自分たちが出られれば、役割をしっかり果たしたいです」
小林「最初はすごく不安で自分のプレーができるかわからなかったけれど、この舞台で初勝利をあげられてよかったです。自分のプレーを出すことができました。先輩方には、「緊張するよ~」とあおられていたのですが(笑)、逆にそれがよかったかなと思います」
※メキシコ戦は、相手国に単複兼ねる選手がいたため、1S→2S→3S→1D→2Dの順で試合が組まれた